毒林檎 (ページ24)

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第二十四話　M side ページ24

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たまは俺の告白にありがとうと言うだけだった。それでも拒む事なく俺の気持ちを受け入れてくれたのが嬉しくて、より一層抱き締める腕に力を込めた。

そしてふとある事が頭をよぎる。

これ以上たまを他の人に触れさせたくない。この胸の中の天使を誰の目にも留めず、俺だけのものにしてしまおう。だから仕事は、今日限りで辞めさせよう。

「たま、今日で仕事辞めようか。」

『っ…どうして？』

「もうこれ以上他の人にたまを触れさせたくないんだ。…それに余るほど貯蓄あるから、無理して働かせるよりも二人でゆっくりしたいなって。毎日こんなに働いてたら壊れちゃうよ。」

『うん…でもせっかく俊くんが紹介してくれたお仕事だし、俊くんに恩返ししたくて…もうちょっと頑張らせてくれないかな？』

だめ？と上目遣いで俺を見上げるたま。
ほんと、そういうのどこで覚えてくるんだろうか。可愛さに免じてもう少し働かせてあげてもと一瞬思うがやはり答えはNoだ。

たまはそんな俺を絶望の目で見つめてくるが、こればかりはどうしても譲れない。あとでニカに電話の一本入れておこうかななんて考えながら手元にある自家製の薬入りの水を飲ませた。

意識が朦朧とし、ぐったりと倒れ込むたまを抱え寝室のベッドへと寝かせる。机の引き出しに閉まっておいた鎖をベッドとたまの首元に繋いだ。