宮田くんと玉森くん (ページ9)

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俺と宮田の間に少しの沈黙が流れた後、まだ不機嫌な様子の宮田は俺から小袋を奪うと、入っていたクッキーを全部口いっぱいに頬張った。

「ちょっと、何してんの。」

ハムスターみたいに頬を膨らませ、むしゃむしゃと食べている宮田はクッキーを飲み込むと、何やら満足な様子。

『これで全部ナシね。たまがこれ食べたらあの子の気持ち受け取った事になるでしょ？俺が食べたからセーフ。』

凄いドヤ顔で言ってるけどやってる事ヤバイよ。

嫉妬深い王子様を持つと大変だな。なんて俺もかなり浮かれちゃってるけど。

『それとさっきの話だけど。
明日、俺からあの子に言っとくから。終わるまでちょっとだけ待っててほしい。』

「え？もしかして…俺があの子と話すだけでもヤキモチ妬いちゃうの？」

『だって…あの子絶対本気じゃん。手渡しなんて今までなかったじゃん。さっきの照れた顔とか…たまは可愛いとか思っちゃったりした？』

ふふ、まだ気にしてんの。

そんなに心配しないでよ。俺には宮田しか見えてないよ。

「知ってるでしょ。俺が女の子にきょーみない事。
俺には宮田が居ればそれでいいの。」

少し照れくさいけれど、紛れもない事実だから。

俺には宮田以外考えられないから。