宮田くんと玉森くん (ページ6)

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たまは俺にとってはお姫様でも、皆からすれば王子様だ。

容姿端麗、たまを纏うゆるふわな雰囲気、気怠げなそのさますらかっこよく映ってしまう。

廊下を通れば同学年のみならず、下級生や上級生からも熱い視線を向けられ、

購買に出向けばおばちゃん達から大好物の焼きそばパンをサービスしてもらえる。

更には体育の時なんか、偶に顔を出したらそりゃあもう
他のクラスの子達からの歓声が凄い。

その時は皆がたまに夢中で全く授業にならないほど。

…そしてつい最近、隠れファンクラブまで出来たらしい。

情報収集にハマっているらしいニカから聞いた。

「はぁ…嫉妬でおかしくなりそ。」

……俺だけのたまなのに。

君の王子様のはずなのに、いつの間にか心に余裕がなくなっている事に、目を背ける事なんて出来なくて。

ふつふつと湧き上がってくる独占欲に蓋をする事なんて
俺には無理かもしれない。