ずるいじゃん続 【灰谷竜胆】

ずるい 66 ページ19

私の足りない頭を使って考えた結果がそれだった。





「なんで？」






『無理だから。』








いつもの優しい目じゃなくて竜胆は少し怖い表情になっていて、なんだかいつもと違う。







『まぁいいや。じゃーね。』






ああ。竜胆のこと今見たら判断鈍っちゃう。






無理だ。









私はその場を立ち去ろうとするが手を掴まれた。ぎちぎちと折れそうなくらいに強く掴まれる腕。









無言なのがめちゃくちゃ怖い








『なに』







「やだ。」







何それ。何それ。何それ。やめてよ。







『離して』




「いやだ。」









絶対今酷い顔してるし、泣きそうだし。









離してよ。やだよ。









「離したらさ。絶対お前どっか行くじゃん」









私は竜胆の方を見るといつもみたいにいたずらに笑う竜胆がいた。









私だって離れたくないし









不器用で









口下手で









私が食べたいもの一緒に食べてくれて









一緒に授業抜け出してくれて









私の目を見てちゃんと話してくれて









私がしんどい時いっつも一緒にいてくれる









あれ。









私って竜胆のこと好きだったんだ。

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