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「頼む、赤原」
「どうして私が」


いきなり朝のホームルームが終わる也、先生から職員室まで呼び出しをくらった。
ふらりと立ち寄れば、鳥井希といった不良で問題児の彼を更正させて毎日学校に登校するように頼んでほしいと頭を下げられる始末。情けない、それは教師である貴方の仕事でしょう。


「最近何かと仲が良いだろう」
「友人、ってわけじゃないですけど」


私と彼の関係値なんて、クラスメイト、隣の席、ご飯食べられる、ぐらい。
昼飯時にしかお互い話さないし、寧ろ私の方から距離を取る。あの人の隣にいると面倒事が回ってきそうだし。現に回ってきているが。


「とにかく宜しくな!喧嘩もほどほどに止めてもらえると助かる」


じゃっ、と逃げるようにしてコピー機の方へ向かう担任の後姿を睨めつつ、職員室を出た。
無責任かつ、人任せな担任をもつと苦労するのは生徒だということを学んだ。

朝から重たいため息をつきながら教室へ戻る途中、玄関にて友人らしき人と呑気にお話しながら靴を履き替える鳥井の姿。一限目が始まる前に彼が登校するなんて、珍しいこともあるもんだ。


じっと私が見つめていたことに気付いたニット帽を被った彼の友人Aは、こちらを見て怪訝そうにし「何見てんねん」と吐き捨てる。不良って怖いなぁ、女ぐらいには優しくあれ。

その一方でお隣の鳥井さんと言ったら、私の存在を認識したかと思えば、パッと顔を明るくさせ笑顔でこちらに近づく。


「はよ」
「おはよう」
「今日早起き出来てん!」


ご褒美をくれ、とでも言いたげな彼と距離を取る。


「なんだか血の臭いします。離れて」
「お、俺からやないで!あいつ等から仕掛けてきたんや。それにほら、いつもみたいに遊ばずに一発でトドメさしたから早く登校出来たやん!」
「喧嘩はダメです」


ぶすっと不貞腐れる鳥井、さりげなく先生から渡された任務をこなす私、傍観者の友人A。


「え、なんやゾム。その女と知り合いか」
「そやで!…あー、っと、」


友人Aは声を張って尋ねる。
オドオドした様子で彼は数秒目を泳がした後、


「名前、知らんわ」
「は」


けろりと笑った。
友人Aは、さらに顔を顰め、私を不信に思う。コロコロ表情変わって面白いな、この人。


「赤原Aです」
「聞いとらんわ」
「Aって言うんか!で、今日の飯なん?」


ほら、先生。友人じゃないですって。
彼は私の昼飯にしか興味が無いんです。

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わとまる - この賞セス (5月19日 22時) (レス) @page21 id: 91c3072f2a (このIDを非表示/違反報告)
人形傀儡(プロフ) - 心に刺さりました。めっちゃ好みです。 (2022年6月25日 18時) (レス) @page9 id: ebc8796329 (このIDを非表示/違反報告)
える@脅威推し - りぃさん» ご飯だけじゃなくて夢主ちゃんにも依存してくれると嬉しi(((( (2022年6月21日 16時) (レス) @page5 id: e5ffed06b8 (このIDを非表示/違反報告)
りぃ - 好きな作品だ…こういう性格?のzさん好きなんです…ご飯に依存しかけてますがこれからどうなるか楽しみです…!! (2022年6月21日 3時) (レス) @page5 id: ed9e6e4b74 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:とぅ | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2022年6月20日 0時

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