接触 ページ5
そのあとの授業は、特に頭に入らなかった。あーあ、来週中間考査あるのに、健太はそう思いながら鞄を手に掛ける。放課後になり、教室から出ると数メートル先にはやはり真代瀧の姿が見えた。
隣にいる尚信が小さく舌打ちをし、俺の顔をちらりと見る。その眼差しは、きっと「どーするよ、俺こいつの顔見るとイライラして仕方ねぇったら。早く無視して帰ろーぜ」だろう。
スマホをいじっていた真代の手が止まり、顔をあげた。目が合う。
「や、結局待ってたんじゃーん、行くよ__」
「いや、行かねーよ。俺らもう帰るから__行くぞ健太？」
尚信は俺の肩をつかみ、背を向ける。どこか申し訳ない気にもなりながら尚信と同様背を向けようとしたそのとき、
右手が力強く捕まれた。
「じゃあ大島くんは帰ればいいよ〜。神木くんは来るよね？」
と真代瀧はいつもの笑顔で言った。
は！？と尚信が目を見張り、意味を解したのか、苛立った口調ではああああぁあぁぁあ！？！？とお得意のどすの聞いた声で周りにいた生徒をビビらせた。なんだなんだと集まってくる奴もいる。
「あれ、帰らないの？来るの〜？」
俺の目の前には、顔にニッコリとスマイルを貼り付けたまま尋ねる真代瀧。
「は。行かねぇって。__俺は、いつも健太と帰んだよじゃーな」尚信はそう言って俺の肩をさらに強く引っ張ったが、すかさず真代の手が俺の手を引っ張り離さない。「いつもは、でしょ」
俺を挟んだ二人の間に火花がちり、「どうした神木モテ期かーー！?」という野次が飛び交う。頭が痛くなってきた。だれか何とかして、腕引きちぎれるし肩飛んでいきそう。
「何してんのたっきー」ふいに後方から聞こえたその声は、ちょっと眠たげで少し高めだった。「保健室に来るって言ったじゃん。教室と間違えたと思って、来たんだけど」
LINE見てなかった、と付け足した。
「ナイスタイミングじゃん」
真代はニヤリと笑い、俺の手を離した。俺も尚信もまさかと思いながら真代瀧と会話している彼を見た。
「水瀬拓真！こいつが一緒に弾いてる奴ね。どう？興味湧くでしょ。」
真代瀧がまさかと思っていた事実を告げた。さっきまでいた野次馬達はもう居なくなっていて、この階に居るのは俺達四人と教室で雑談しているであろう女子数名だ。俺と尚信はなんとも言えぬ表情をして、どう答えていいのかもわからないから黙っていた。だからといって、ずっと黙っているのは失礼だと思うけれど。
気づくと、外は雨が降っていた。
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まきゅもきゅ＠九松(プロフ) - 結咲。さん» こちらこそありがとうございますぅぅぅぅぅ！貴方様の作品もずっと応援しています！ (2016年9月25日 19時) (
レス) id: dd6ee1b572 (このIDを非表示/違反報告)
結咲。(プロフ) - まきゅもきゅ＠九松さん» ありがとうございます！ありがとうございます！ありがとうございます！泣 ぜひぜひ作品見に行かせていただきます！ (2016年9月25日 18時) (レス) id: aa201165a1 (このIDを非表示/違反報告)
まきゅもきゅ＠九松(プロフ) - 結咲。さん» お邪魔させていただきました！すごく興味深いですね！思わず入り込んでしまうような・・・！宣伝もさせていただきますね！これからも頑張ってくださいね！私の作品もよければ見てって下さいね(笑) (2016年9月25日 17時) (レス) id: dd6ee1b572 (このIDを非表示/違反報告)
結咲。(プロフ) - ねこまんま 21号さん» ありがとうございます！(泣)ウレシすぎて死んでしまいたい！(泣)更新頑張ります！ (2016年9月18日 12時) (レス) id: aa201165a1 (このIDを非表示/違反報告)
ねこまんま 21号(プロフ) - 面白いです！！ 更新、頑張って下さい！！ (2016年9月18日 11時) (レス) id: 0270f76ad4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：結咲。 | 作成日時：2016年7月26日 14時
