即ファボ失礼します【我妻善逸】

16.ケリをつける ページ19

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「Aちゃん、俺___



Aちゃんが好きなんだ。



付き合って、ください！」




episode 16「ケリをつける」




顔を真っ赤にして私の目を見つめる善逸くん。まるで夢みたいだった。ちょっと前までの私なら、すぐに「はい！ぜひ！」ってなったと思うけど、さっきの今だ。私は正直困っていた。



「善逸くん、」
「は、はひ！」


「私も好きだよ。」
「……嬉しい。」




だけどね、善逸くん。善逸くんはモテるから善逸くんのことを好きなのは私だけじゃない。




「でも、もう少し時間欲しい。」



嗚呼、ズルイ女なことを許してください。
好きだって言っといてもう少し時間が欲しいだなんて最低だ。




善逸くんは驚いたように、少し悲しそうに「わかった！待つよ、俺！」と笑った。


そんな顔、見たくないのに。



その後の帰りは少し気まずくって、少し早足になった。




ベッドに寝転がって息を吐く。





「……何やってんだろ私は。」



善逸くんのことだってたまらなく好きだし、その友達のことだってたまらなく好き。

私が善逸くんと付き合ったとして友だちが傷つく。
でも、友達の気持ちを尊重したとして、自分の気持ちはどこへ？




「どっちかにけりつけないとな。」



私はスマホを取り出して、猪のアイコンをタップし電話をかけた。




『んだよ。』
「伊之助くん、私どうしたら良いと思う？」
『どーした？』



今日あったことを伊之助に話したら、伊之助は私に一言、

『バカか？』

と。いや、その通りだと思うけど、いざ言われたら少しグッとくるものはあるよ？





『これは俺の意見だけどまあ、聴け！両思いなのにAが諦める意味がわからねえ！Aが諦めたところでその友達が紋逸と付き合える保証ねえだろ！それに今お前が悩んでる時間で紋逸も悩んでるんだ！早くけりつけてやらねえと、紋逸もオマエも傷つくだろ！！！』



伊之助くんの言葉は少々荒いけどスッて心に入る。私は伊之助くんのこういうところにいつも助けられていた。

ビシッと言ってくれる人こそ、本当の友達と言うもんだから。



「…そうだよね、ありがとう！！」



確かにそうだ、私善逸くんの気持ち何にも考えてなかった。馬鹿すぎる。




((私ね、「好きな人の幸せが自分の幸せ」って言う心理がよくわからなかったの。
((だけどね、わかるような気がするよ。だから、Aは気にせず前に向かって欲しい。



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