即ファボ失礼します【我妻善逸】

10.貴方の言葉 ページ11

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「炭治郎と善逸君って付き合ってるかも…はぁ。」
「ブヒャー！なんだそれ！本当にお前ら馬鹿だな！！派手すぎるくらいに馬鹿だな！」


こっちは真剣だよ…！



episode 10「貴方の言葉」




「炭治郎が相手だなんて敵わない。」



中学から一緒だったからわかる。私は炭治郎より確実に女子力がない。

だって炭治郎ったら、親に迷惑かけたくないからって毎回自分でお弁当作ってるし、典型的な良い人すぎるし、顔だって整ってる。




でも、それは今の段階では！


(人1)Aはこれからポジティブでいくからね。



「私だって炭治郎に勝るくらいに女子力上げるんだから…！」



嫌われてるって、そんなら好きになってもらうしかないじゃない。諦めるなんて選択肢はないんだから。



だって、私はずっと善逸くんに夢中だったじゃん。




私が善逸くんの存在を知ったのは、中3の秋だった。
私は受験先を悩んでいた。正直自分のやりたいことも、どこに行きたいかも何も決まってないからだ。





ある日私は問題集を買いに書店に寄った。


問題集のコーナーには、私以外にも1人いた。それが善逸くんだった。

私が気になった問題集を取ろうとした時、善逸くんもまたその問題集を取ろうとした。



「あっ…すみません！どうぞ！」
「いえ！俺は大丈夫です、どうぞ！」
「…すみません！ありがとうございます。」


善逸くんは「いーえ！」って笑顔でいう。眩しい笑顔だったことを鮮明に覚えてる。





「受験先、迷ってるんですか？」




善逸くんが急にそんなこと言うから私は「え…？」と思わず声に出す。最近伊之助くんから聞いてわかったことだけど、善逸くんは耳が良いらしい。それだから善逸くんはあの時私が迷ってることがわかったんだ。




「…そうなんです、どこに行きたいって意思もないし、自分が何をしたいのかもわからない…。」




その時の私は、悩みを誰にも言えなかった。「Aは頭いいからどこにでもいけるよね。」なんて友達には言われるし、両親には一番頭の良い高校に行けと言われていた。だからこそ初対面の善逸くんにポロっと言っちゃったんだな。





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