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『自分でお礼してって普通言います?』


「え〜別に良くない?笑」






連れてこられたのはこの前のカフェ







「名前は?なんて言うの?」


『渡辺Aです…』


「渡辺Aちゃんね…うちにも渡辺って苗字の奴いるよ」


『そう、ですか…』


「何年?ってか見る限り頭いいとこの高校だよね?」







完全にこの方のペースに巻き込まれた




口を開けばよく分からない話ばっかり







『あ、あの!…』


「ん?なに〜?」


『貴方も…お名前を…』


「あ〜俺はね〜深澤辰哉っていうの」


『深澤さん…』


「そう、さっきの高校の3年で、ふっかとか、辰哉って言ってくれたらいいよ〜」


『じゃあ深澤さんで…』


「あ〜かたい堅い、辰哉くんとかで読んでよ」







ご本人の希望で話し合った結果私は深澤くんと呼ぶことに




未だになぜ私がここに連れてこられたのかも知らず、どんなお礼をして欲しいのかも分からない…




すっごいヘラヘラしてて、チャラい…




私の苦手なタイプ







「連絡先教えてよ」


『え…』


「なんで交換するかだよね…俺Aちゃんに勉強教えてもらいたいのよ」


『三年生の勉強なんて…』


「もしかして二年?」


『はい…』


「じゃあ丁度いいや」


『え、なんでですか?』







話を聞いたところ二年生の勉強から教えて欲しいとの事




二年生の勉強からって、どうやって進級したのだろうか




すごく気になる






「あ、どうやって進級したかって思ったでしょ笑」


『…バレてます?』


「バレてるバレてる笑俺が三年になったのは…うん、ギリギリ」


『ギリギリ?』


「そう、めっちゃギリギリの単位で三年生になれたの、だから今度こそちゃんと卒業したいじゃん?」


『それで私を?』


「そ、だからお願い!」





手を握られ頭を下げられる




こんなことされたらOKを出すしかない




だからOKを出した、蒸し暑い梅雨の時期に













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作者名:チョコ | 作成日時:2022年5月29日 17時

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