それぞれの愛し方で【F.Tatsuya】 (ページ5)

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Fukazawa side

『…でも…っ』

「いいの、俺がしたくてやってんだから笑」

好きな子には財布を出させたくない

ここで割り勘とかなるとかっこ悪いじゃん？笑

好きな子の前ではかっこぐらいつけさせてよ

「じゃ、ゲーセン行きますか」

『深澤くん得意なの？』

「凄すぎてビビるかもよ？」

『ビビらないように努力する笑』

他愛もない会話をしながら行きつけのゲームセンターへ来た

前行ってた所は出禁にされちゃって行けないからさ笑

「今日は深澤リミッター解除だから」

『なに、リミッター解除って笑』

「欲しいもの言ってよ、何でも取る」

早速頼まれたキーホルダーを取るためにボタンに手をかける

隣で両手を握って頑張れって言ってくれる彼女はものすごく可愛い

『わ！取れた！』

「ほら、言ったでしょ？リミッター解除だって笑」

数回して取れた景品に笑顔を浮かべた後、俺の方を向いてありがとうと一言

礼儀正しい子は大好き、俺のタイプ

『あ！深澤くんの欲しいものある？私が取ってみる！』

思いつたかのように顔を上げ、ポーズ付きで説明してきた

「いいの？笑」

『意外と私も上手いかも笑』

「んは、じゃあ、あの黄色い奴取ってよ」

『任せといて！』

俺が指さしたのは大きいとも小さいとも言えない微妙な大きさのキャラクターぬいぐるみ

昔から好きなんだよねあのキャラクター、黄色いしさ

「あぁ～もうちょい左、行き過ぎ笑」

『もうちょっと右？』

「うん、お、そこ！」

結局俺が後ろから指示を出し、一番いいところでボタンを押した

すると、見事にがっちり掴んで取り出し口まで持ってきてくれる

「すごいじゃん！笑」

『深澤くんが教えてくれたから』

「見込みあるね笑」

そうこうしてるうちに入口の自動ドアから見える空は茜色に染っていた

「帰ろっか？」

『うん、帰ろ？』

二人でゲームセンターを出て、元来た道をまた戻った

歩いて帰っている中、話は絶えず続いていて何一つ面白くないと思わなかった

『この前樹に口説かれたの笑』

「ふはっなんで？笑」

『師匠頭悪いよ？俺の方がちょっとだけ頭いいよ？って笑』

「大して変わんねぇよ笑」

流石樹らしい笑

まぁ、一緒にいる奴らって大体頭悪いのばっかなんだけどね笑

頭いいのはあべちゃんか北斗ぐらい笑

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