それぞれの愛し方で【F.Tatsuya】 (ページ3)

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『やっぱり無理です…』

柱から出てきたが結局足が進まず、橋本さんの元へ戻った

橋「もう、旦那でしょ？笑」

『勇気が要ります、あの中に入るのは…』

橋「あ、ご飯食べ終わったんじゃない？」

指さした方向に顔を向けると、人集りの中から9人が出てくるのがわかる

全員固まって歩いてるからより目立つ

『わっ、ちょ…』

私たちの前を通り過ぎようとした瞬間に固まりの中から手が伸びてきて

そのまま私の腕を掴んで引っ張った

「ねぇ、なんで来てくんなかったの？」

『…えっと…』

角に追いやって私の顔の両側に手を着いたのは言うまでもなく辰哉くん本人

「角から見てたの知ってんだからね」

『ご、ごめん』

「俺にキスしてくれたら許してあげる、いっつも俺からだから」

引き下がってくれる気配がなく、恥ずかしながらも彼に口付けした

「んは、かぁいいね、めっちゃ照れてんの笑」

『バレたらやばいです』

「バレないバレない」

『ば、バレます』

腕の間から抜け出そうと試みるも、失敗に終わり、離してくれるまで待つことに

「今日の夜は手加減出来ないかも笑」

『…今言うことじゃないです…』

「ん、お仕事頑張ってね」

いとも簡単に私を解放した辰哉くんは

頭に手を置いて、微笑んだ

帰っていく後ろ姿は優しそうで、でもやっぱり少し猫背

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橋「ふふっAちゃんも一週間ですっかり有名人ね笑」

『有名人、なんでしょうか…』

新入社員が入ってきて一週間、広報部の前には女の子の人集り

これも全部あの人のせい

営業部の部署で1人の女の子に言い放ったらしい

「ん？俺の奥さんはね、広報部の深澤Aっていう子、めっちゃかぁいいから」

この一言が新入社員ずてで伝わっていき、一週間にしてこんなにも大きく膨れ上がった噂

いいのか悪いのか…

でも、こういうのって大体嫌がらせが付き物

ですが、私の所には嫌がらせは来ず噂も数ヶ月すれば収まっていった

「俺たちはちゃめちゃ噂されたね笑」

『元凶は辰哉くんでしょ』

「んは、そうだったわ笑」

ベッドで喋る深夜23時

嫌がらせを全部通さないようにしてきたのが旦那さんだって知るのはもうちょっと後のこと…

噂されるのもいいかもね

【噂の私達】from抱きしめてキスして守って[完]

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