伍話 ページ6
「あのさ」
まだやいのやいのと言い合っている双子に声をかける。
同じような顔が同時にこちらを向く。
「いろいろ聞きたいことはあるんだけど。とりあえず……その気持ち良さそうな耳と尻尾触らせて!」
数秒遅れで、「何言ってんだこいつ」みたいな顔される。
それでも私はかまわない。
あのさわり心地の良さそうな耳と尻尾が触れれば!
「駄目、かな?」
ゆうた「とか言いつつ、じりじりと近づいてくるのはなんで⁉︎」
ひなた「いいよ!」
ゆうた「ア〜ニ〜キ〜‼︎」
ゆうたくんはお怒りのようだが、ひなたくんからは許可を得たので、まずは耳を触らせてもらう。
ひなたくんは気持ち良さそうに目を細めていた。
「綺麗な毛だねぇ」
ひなた「ありがと〜。ゆうたくんも撫でてもらいなよ」
ゆうた「えっ!いや、でも…」
本当は自分も撫でられたいのか、ちらちらとこちらを見ている。
なんて愛らしいんだ!
「もぉ〜!ゆうたくんも撫でちゃうぞ!このこのっ」
半ば強引にゆうたくんの頭を撫でる。
すると、初めは抵抗していたものの今では私にされるがままになっている。
「落ち着いた?」
ゆうた「う、うん」
ひなた「ところでさ、紗凪ちゃんはなんで俺たちを見てもふつうでいられるの?」
ひなたくんがこてんっと首をかしげて聞いてくる。
「んー。なんでって言われても…。私も神の使いだから?」
そう言って扇を見せる。
ひなたくんとゆうたくんは何かを感じたのか、納得したような顔していた。
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作者名:ミル&海梅 x他1人 | 作成日時:2016年2月20日 15時