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手繰り寄せ、赤の糸 ページ6

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「どうしたい、って言っても。……正直まだ気持ちの整理がついてないです」



決して自惚れていたわけじゃなかったけれど、彼が浮気してるなんて疑ったことなかった。
そんな素振り一切見せなかったから。


なのに、ねえ。
なんで?いつから?
どうして私に言ってくれなかったの?



目頭が熱い、視界がぼんやりと霞む。
一応、私にもプライドというものがある。
いくら何でもさっき泣いたばかりなのに立て続けに泣く訳にはいかない。けれど、お酒を口にした後だから今にでも感情が爆発してしまいそうで怖かった。



「……いたい」
「?」
「リョータローに、会いたい」



早急に財布から万札を抜き取ってテーブルに置いて「ありがとうございました」と告げた。


去り際に一瞬だけ、朔間凛月と目が合う。
彼はポカンと口を開けて何も言わなかったけど猫みたいにつり上がった目が寂しそうな色をしていた、ような気がした。



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「お金いらないって言ったのに、なあ」



とても久しぶりに女の子に逃げられた俺は、珍しく落胆していた。ぽつりと呟いて、彼女が律儀に置いてった万札を拾う。親指と人差し指で摘みあげれば、一円玉ほどの染みができていた。


結局、キミは最初から最後まで泣いてたね。



道端で蹲っていた小さな背中には見覚えがあった。そうでなければ、ま〜くんじゃあるまいし面倒臭い事に首を突っ込んだりしなかったはずだ。ずっと昔に、子供だった時に数回会っただけの仲だったから、憶えてることは期待しなかった。

まあ、案の定彼女が憶えていたのは俺であって俺じゃない、アイドルKnightsの『朔間凛月』だったけれど。



がっかりも落ち込んだりもしなかった。
けど、何故かなあ、胸がちくちくした。
ほんの少し、浮気した彼氏に嫉妬した。



だけどもう、これっきりの縁。
彼女と会うことはきっとない、だろう。
グラスに残ったお酒を飲み干し席を立つ。




「(────ん、なんか光ってる?)」




磨かれた床の上で輝いているナニカ。
しゃがんで拾い上げると、ピンクの宝石があてがわれたネックレスだった。




「……なるほどねぇ、」




───つまり神様はまだ俺を見捨ててないってことでいいかな。コートのポケットの奥深くにネックレスを沈めると、にやりと微笑んだ。



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錆び付いたピンクサファイア→←あてにかほりけだかく



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魚図(ゲイツ)(プロフ) - (コメ返し遅くなったので纏めて失礼します!!!)コメント大変嬉しいです、ありがとうございます!皆様の言葉を原動力に更新頑張ります! (2020年2月11日 22時) (レス) id: f250b07018 (このIDを非表示/違反報告)
99 - とても面白かったです!続きが気になります( ^ω^ ) (2020年2月11日 22時) (レス) id: d19f0180cc (このIDを非表示/違反報告)
夏李 - すごく面白かったです。更新楽しみに待ってます! 凜月君可愛すぎた (2019年11月3日 6時) (レス) id: 663d9c3cae (このIDを非表示/違反報告)
なな(プロフ) - こうゆう浮気も好きです!更新頑張ってくだざい! (2019年10月27日 14時) (レス) id: cda48c16bf (このIDを非表示/違反報告)
くるみ - うっちゅー☆しょっぱなから見事にハマりました(笑)更新楽しみにしてます! (2019年10月25日 23時) (レス) id: ff2cf29d51 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:魚図/元ゲイツ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/personal.php?t=1b00d6d4f017764a9af2cf0a2704329f...  
作成日時:2019年10月23日 0時

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