手遅れ ページ22
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週明け月曜日、放課後。
しんと静まり返った教室にイツメンと私。
体力的に再び学校を休んでしまったが
3人に話さないわけにもいかず、
先生と電話でやり取りして放課後のみ登校した。
それに伴って3人には居残りしてもらった。
「A、今は…大丈夫？」
『うん、今日は比較的平気。明日はちゃんと来る…うん』
自分に言い聞かせるようにそう相槌を打った。
『……実はね、3人に話せてないことがあって』
私が話を切り出すとともに3人が背筋をピンと伸ばす。
逆に私は縮こまる。
話したあとの反応が一切予測できず苦しかった。
何度も頭で練習を繰り返した言葉を並べて、
紡いで、
必死に伝えた。
今まで話せなかった理由も込めて。
分かってくれると心のどこかで信じていた。
でもそんな考え方は甘えでしかなくて、
ただの自己満足に過ぎなかった。
「…私らそんなに頼りない？」
話し終わってはじめに言われた一言に
疑問符を返すほか思いつかなかった。
『えっ、？』
「私らに話すんじゃ頼りないの！？っ…
何でも話し合える関係だと思ってた、
だから先生から聞いた時凄く悲しかった！」
勢い良く立ち上がって畳み掛けるように感情をぶつけられて、
返す言葉がなかった。
見当たらなかった、自業自得だ。
やっぱり先生から聞いてたんだ。
「それにさっ？A…2組の子と仲いいよね、最近さ…」
「ね…だから尚更頼りない無いのかなって…」
『え、いや…なんで知ってるの、？』
「ごめんね、あんまり言えないんだけど、噂って言うか」
それにつられて口を開く二人。
壁に耳あり障子に目あり、まさにこの事。
この子話はぐらかす様な子じゃ無かったのに、
私が秘密を打ち明けれなかったがために
信用を溝に捨ててしまった。
自分で自分の首を締め付けている事を知らずに。
その後はあまり記憶がない。
感情的になった一人に続いて、
ごめんねまた明日ねと言って二人が出て行った後の事が。
ふわふわした感覚のまま
待っててくれた母の車へ乗り込んだ。
何か察してか聞かずにいてくれる母に深く感謝した。
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作者名：chirua | 作成日時：2022年8月7日 17時
