生きたい彼女と死にたい彼。 (ページ11)

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親友ページ11

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言葉を言いかけた所へ突然、

「あ！！阿部ちゃん！！！」

何とも元気で、

鼓膜を突き破るのではないかというくらいの大声でこちらに向かって声を掛けてきた人物。

同じ学校の制服を着ていて少し小柄。

と言っても背丈は私とさほど変わらなそう。

びっくりして顔を上げ目が合うと、

大きな目がおよ？と言いながら私と阿部くんを交互に見ていた。

「うわ、佐久間」

「う、うわってなんだよ！学校サボっといて、女とデートか！？」

少しばかり迷惑そうな顔をした阿部くんが声を掛けてきた男の子を指差し、

「あいつ俺の親友の佐久間。
ごめん、あいつうるさいから一緒に帰るね、
ありがとう教えてくれて。」

佐久間と言う男子の元に行くと何かを言ってから、

軽く頭をぽんっと叩いて歩き出した。

「なんだあ、デートじゃないのぉ？」

阿部くんの言葉に少し固まっていたが、

こちらにも聞こえる声でそう呟いてから

阿部くんを追い掛けるようにして去っていった。

親友の佐久間、くん？という子はまるで阿部くんとは住む世界が違うような、

元気で明るくて、クラスの中心にいそうな男子であることは第一印象でわかる。

不思議な関係のように思えて仕方がない。

…ん？まだお昼だよね？

どうして佐久間くんはあの場に？

そう思ったのは寝床についてから。