無色の子 【呪術廻戦】弐

伍拾 ページ11

「妹は見た目は黒髪に紅い目だった。

処刑予定だったけど、それを全部取り消されて俺の家の御庭番にいたらしい。

俺が3歳の時小屋から抜け出して俺と女中に見つかった。

そして妹は枷を付けられた。

5歳の時俺の家で暗殺が起き1人死んだ。

その時妹が死んだ。

でも死体はなかった。

燃え尽きたって思われたんだ。

でも明らかに壊された跡がある枷を見て逃げ出したとも考えられた。

当時は当主の酒の席の一言で生かされていたみたいだが、２年は呪力が多過ぎて殺すのも上から怖がられた存在。

殺すにも殺せなかった。

オマエだろ。

俺の妹ってのは？」


「…さあ。」


「なんでここまで話が合ってんだ？

偶然にも程がある。」


五条は疑惑が確信へと変わったのだ


「そうだね。

でも、私は覚えてない。」


ずっと閉じられていた瞳がゆっくりと五条を見つめる。


そして視線が交差する。


「悟がずっと探してくれていたのはわかった。

でも私は五条家にとっては死んだことになってる。

確かめたいんなら協力はするけど、私はあの日見た誰かが悟かどうかもわからない。

御庭番にいたかも覚えてない。

悟と昔話は出来ないよ。」

「…今度検査受けてみねーか？」


決心したように蒼は赫を見つめる。


「いいよ。」

「ちょっとややこしいことなるかもしんねけどいいのか？」

「別にそれぐらい何ともないし。

どうなっても私は伏黒Aとして生きていくつもりだから。

ちっさい弟も居るし。」




数週間後、2人に遺伝子検査の結果が届いた。

結果は言うまでもないだろう。

そこには兄マウントを取り始めた五条の姿があった。

お兄ちゃんと呼んでほしい五条と意地でも呼びたくないAの鬼ごっこがよくみられるようになった。

その様子は見ていた人曰く、小学生の鬼ごっこだった、と。


なお、Aはちょっと鬱陶しいと思っているのはまた別の話である。

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