無色の子【呪術廻戦】

拾陸 ページ16

九十九はお茶を飲みながら話している。

測定はもうとっくに終わっているのだが随分長い時間Aと九十九は高専にいた。


「私は今、呪霊がいなくなる方法を研究してるんだよ。
祓うだけの対処療法じゃなくて予防療法のほうだね。」

「…はぁ。」

「まず、呪霊ってそもそもなんで出来るかわかる？」

「呪力が非術師から垂れ流し状態になっているから…？」

「まあ、そんな感じだね。
つまり呪術師が呪霊を生み出すことはないんだよ。」

「そうですか。」

「だから私は、全世界の人間が呪術師になれば呪霊は居なくなると考えている。」

「へえ。」

「君はどう思う？」

「呪霊の被害は減るし、術師の仕事はなくなる。
死人は減るだろうし、横暴なトップはいなくなるでしょうね。
でも正直、呪霊がいなくなったところでどうでもいい、です。」


Aの答えに驚く九十九。


「おや？
どうして？」

「私は強くなるためにここに来た。
だから、呪霊で被害があろうが興味ないです。」

「どうして強くなりたいんだ？」

「いい事あるみたいだから。」

「いい事って？」

「お金いっぱい貰えるとか、美味しいものたくさん食べれるとか…。」

「大切な人が呪霊のせいで死んでしまうかもしれないのに？」

「それでもです。
それで呪いとして一生生きることにならなければそれでいい。」

「どうして？」

「呪いはどこまでも哀れだから。」

「ハハハ！
いいねぇA。
さっき強かったし、君は特級だね！」

「特級ってお金いっぱい貰えますか？」

「うん。」

「じゃあ、なります。」

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