無色の子【呪術廻戦】

拾弐 ページ12

時は丑三つ時。

小さな茶の間に父親と娘が座って話しをしていた。


「恵、最近術式出たでしょ。
父さんの家の。」

「そうだな。」

「売るの？
かーさんと父さんの子だよ。」


「恵はそのうち禪院に行く。
ただし俺が死んだらっていう制約付きでな。」

「…死ぬなよ。
せめて義務教育終わるくらいまでは。」


二人の間に沈黙が流れる。









甚爾は十年前の事をふと思い出し口を開いた。


「オマエ、ほんとに変わったな。」

「何？」

「丁度今日じゃねぇか？
オマエが家出した日。」

「そうだが？
なんだ、気でもそらしたいのか？」

「まさかそん時はこんなに強くなるとは思ってなかった。」

「まだ強くねえよ。
とうじにはまだ完勝してない。」

「それでお前、中学卒業したらどうすんだ？」

「高専に行く。」

「おいおいまじかよ。」

「まじ。
スカウトと言う名の強制連行だ。」

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