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今なら魔女を殺せる。本気でそう思ってしまうくらいには気分が高調していた。ドクドクと血のめぐる音が聞こえる。
松川さんのいる部屋までたどり着くと、思いきって大きく重い扉を引いた。「よー」気の抜けた声。
「遅かったじゃねーの」
松川さんはそう言って私に視線を向けるとギョッとしたように目を見開く。「おま、もう一戦してきたのかよ」
「痛くねーの、それ」
「それ？」
頬の傷だろうかと思ったがどうやら違うらしい。松川さんは自分の横腹辺りに手を置いていた。真似して自らのそれに手を当てると、ベタリと熱いものがまとわりつく。
「うっそ。アドレナリン出過ぎじゃないですか、私」
赤く染まった手を見てそう口にする。指摘されなければ怪我を認識することすら出来なかっただろう。
流石、と鼻で笑う。確実に全て彼の弾は避けたはずであるのにいつの間にこんな傷をおっていたのか。
「誰とやってきたんだよ」
「天童さん」
「うわまじか」
「手札がばれてなかったのが幸いですね。ちょっと吸うだけで強制的に意識が落ちる睡眠薬。あ、二本くらい松川さんも持っときます？」
睡眠薬と興奮剤をそれぞれ二本ずつ彼に渡してから止血をする。薬の効果が裏目に出たのか出血量がひどかった。興奮剤の効果が切れるまでは止血剤を飲むわけにはいかないし、ギュッと手持ちの包帯を適当に巻き付けた。
「よくやったなあ、天童相手に」
「……天童さんはまだまだ本気じゃありませんでしたけどね」
間違いなく天童さんは私に手を抜いた。それがどういう感情かは分からないけれど、意図的にというよりは無意識に。
「戦闘中、私は一度も素手で触れませんでした。男の力で拘束されてしまえば絶対に勝てないのに。彼がそうするチャンスはいくらでもあったのに、です」
同情か、はたまた自己投影か。しかしどちらにせよ私が勝ったことに変わりはない。相手を戦闘不能にした方が勝ち。
「まあここまでこれたなら上出来」
「わーい」
首の骨をコキコキと彼は鳴らす。「逆崎」
「無双すっか」
「貴方の金棒にしては随分役不足な気もしますけど、」
「せいぜいがんばります」ヒクッと頬がひきつる。怪我人の私を使う気満々な彼に嫌みのひとつでもこぼせば、彼は楽しそうに笑った。
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R(プロフ) - めっちゃおもろいです…更新、待ってます🙇♀️ (2月25日 1時) (
レス) @page35 id: a38d8c3d1f (このIDを非表示/違反報告)
ワグマン - パロ系あんまり好きじゃなかったんですけどこの話読んでめっちゃ好きになってしまいました！！更新頑張ってください(*- -)(*_ _)ﾍﾟｺﾘ (2020年8月4日 21時) (レス) id: d570b5d827 (このIDを非表示/違反報告)
あーさん(プロフ) - すっごく面白くて一気読みしてしまいました…！ダークな雰囲気が根底にある設定大好きなのとバトルシーンもワクワクします。もう本当にツボです…！笑 これからも応援しています(o^^o) (2020年6月5日 9時) (レス) id: 19c0d362e8 (このIDを非表示/違反報告)
える(プロフ) - 咲夜さん» コメントありがとうございます！気ままな更新ですがどうぞお付き合いください(*^^*) (2020年4月29日 13時) (レス) id: ace072b99e (このIDを非表示/違反報告)
咲夜 - 面白いです(* >ω<)。更新頑張ってください。続きが読みたいです(*- -)(*_ _)ﾍﾟｺﾘ (2020年4月29日 13時) (レス) id: d570b5d827 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：える | 作成日時：2020年3月13日 15時
