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なんて身勝手な。同情の余地もなかった。押し付けがましい。私にかける言葉じゃない。ただの独白、自己満足。なんだよ、それは。


「ふざっ、けんなっ」


馬鹿にしてるのか、と思った。


「羨ましいってなに。私が?私の強さが?期待が?ふざけないでよ。私を殺せば私の弱さがちゃんと見れるってなにそれ?私は別に弱くたってよかった。普通の女の子でよかったよ。それが手に入らないから死ぬために身の丈に合わない勉強も、努力もし、て、」


酸素が足りない。これ以上の文句は言えそうになかった。


「こんな、はずじゃ。俺、は。俺は、」


「捕縛!」


力強いその声を最後に、私は一度意識を落とした。


「……助かりました、澤村さん」


次に目を開けると、一切身動きの取れない男子生徒の顔が一番に目に入った。さっきまでの視界と変わらない。


グイッと彼の体を押すと、容易に離れることができた。


「すまん、遅かった」


「いやあ、全然。正直、今来てくれたのが澤村さんでよかったと思いました。それに私死にませんし」


澤村さんとは菅原さん経由で仲良くなった。面倒見もよく包容力のある彼とは一緒にいてとても心地いい。


及川さんとか、青城のみんなに感じるものと少しにている。


「それは知ってる。でもそれと痛いとか、辛いとか、怖いって感情は別だろ?」


心配してます。そうダイレクトに伝えてくる彼には時々取り繕うことが出来なくなる。


「そ、れはまた随分お優しいですね。痛み入ります」


鼻の奥がツンとした。少しだけ視界がにじむ。


「ころ、してくれ。殺してくれっ」


男子生徒が言った。一つため息をついて、懐からナイフを一本取り出す。シャキッと刃を出せば、ナイフを持つ手を澤村さんに止められた。


「馬鹿」


「でも、彼がそう言ってます」


「人間じゃない魔力を俺でも感知したんだ。じき人が集まってくる。先生ももうすぐ来るだろうし、耐えろ」


「殺してくれって言ってます。苦しんでる。殺さないのはエゴですよ」


「それだけじゃないだろ。今の感情を正当化するなよ、逆崎。それに殺してしまったらお前は退学になる」


彼はよく見ている。間違いなく私は私情の感情で目の前の彼を殺してしまえばいいと思った。彼は私を殺した。私が同じ事をして何が悪い、と。


「だから耐えろ、逆崎」


そんなに言うなら言霊でも使ってくれればいいのに──


彼の優しさは時に残酷だ。

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R(プロフ) - めっちゃおもろいです…更新、待ってます🙇‍♀️ (2月25日 1時) (レス) @page35 id: a38d8c3d1f (このIDを非表示/違反報告)
ワグマン - パロ系あんまり好きじゃなかったんですけどこの話読んでめっちゃ好きになってしまいました!!更新頑張ってください(*- -)(*_ _)ペコリ (2020年8月4日 21時) (レス) id: d570b5d827 (このIDを非表示/違反報告)
あーさん(プロフ) - すっごく面白くて一気読みしてしまいました…!ダークな雰囲気が根底にある設定大好きなのとバトルシーンもワクワクします。もう本当にツボです…!笑 これからも応援しています(o^^o) (2020年6月5日 9時) (レス) id: 19c0d362e8 (このIDを非表示/違反報告)
える(プロフ) - 咲夜さん» コメントありがとうございます!気ままな更新ですがどうぞお付き合いください(*^^*) (2020年4月29日 13時) (レス) id: ace072b99e (このIDを非表示/違反報告)
咲夜 - 面白いです(* >ω<)。更新頑張ってください。続きが読みたいです(*- -)(*_ _)ペコリ (2020年4月29日 13時) (レス) id: d570b5d827 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:える | 作成日時:2020年3月13日 15時

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