Nineteen−頭痛と温もり− ページ20
酷い頭痛で目が覚めた
『もう…嫌だ…』
何時までこんな生活が続くんだろうか
治るかも分からない発作
そして必ず見る夢と思い出される記憶
コンコンッ
『はい…』
頭痛のする頭を抑え扉を開けると
そこに居たのは中原君だった
中原「随分参ってるな」
『何…?』
中原「姐さんから様子を見に行って欲しいッてな」
『……じゃあ其れは?』
中原「これくらいなら食えるだろ?」
中原君の手に持っているのはきっとお粥
風邪じゃないけど…心配してくれているのは嬉しい
『有難う』
中原「…それ、全部御前の資料か…?」
私の机の上に山積みになった紙の束を見て
怪訝そうに言う中原君にそうだと告げる
『まあ中には報告書も入ってるけどね』
中原「それ、俺が終わらせてやるよ」
『何で…?別に私の仕事だし』
中原「病人だろ?甘えとけ」
中原君なりの気遣いならと私は甘える事にした
温かいお粥、カリカリという書く音。
それら全てが私の身体に入ってくる
美味しい…そして心地良い
『……ご馳走様でした』
中原「っし…終わった終わった」
『有難う』
中原「別に…こんなモン平気だ」
中原君……中也君は優しい。
仲間の為に動き仲間の為に泣く…
決して弱さを見せない…そんな人。
『中原君、弱み無さそう』
中原「なンだいきなり」
『唯そう思っただけよ』
弱い所しかない私とは大違いだよ…全く。
そんな事を考えていると中原君の手が頭に乗る
中原「まァ…なんだ、余計な事は考えるなよ」
小っ恥ずかしそうにもう片方の手で頬を掻く
そんな姿は少し子供にも見えてしまう
『……それもそうね』
久々に色々なあたたかみに触れた気がする
186人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
suno - 神ですか? (2020年3月30日 14時) (レス) id: d57e330a5c (このIDを非表示/違反報告)
エース(プロフ) - この作品凄く面白いです!続き待ってます! (2020年2月28日 22時) (レス) id: b42abade94 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ