【コナン×文スト】太宰治が死んだら

・男の疑惑 ページ10

降谷side


安「どうしたんですか！？何かありました！？」



目を合わせれば落ち着いてくれる筈。そう思い目を合わせる。
さっきまで男の黒瞳は小刻みに痙攣していたが、今は大分落ち着いた表情をしている。

ヒュウ、と息を漏らした男は表情は堅いものの口を開いた。


「ひ、人のし、死体が…」


人の死体だと！？


安「人の死体がどうしたんですか！？」



そう云うと男はあからさまに顔を青くし、恐怖していた。


くそっ拉致があかない。


そう言えば先程まで一緒にいた彼が居ない。何処に行った。


まだ聞きたい事が山々有るっていうのに


見渡しても草が生え聳えており辺りが見えない。



太「こっちに来てみなよ」



そう俺に呼びかける声は先程の彼だと分かり少し安堵した。声のする方に顔を向けると彼は居ない。

だが、草むらを掻き分けた様子がある為、其方に行ったことが分かった。



安「ちょっと失礼します。直ぐに戻りますから」



地面に膝を付いている男に一言告げる。
そして俺も彼に続いて草むらに入っていく。


草むらを掻き分けながら、いや掻き分けたられた跡を道を通りながら、彼に近づく。


彼の顔は近くに行くほど明確に見えてきた。
彼は腕を組み、考えるように何かを見据えている。



安「あの、一体何が…」

太「これを見てみなよ」



彼は指を指した。そこへ顔を向けるとそれは酷いものだった。思わず顔をしかめた。


こじ開けられたようなトランクの中には、鼻が曲がるような悪臭を放つ物がそこにはあった。



何だ、これ


そう素直を思った。

鼻が曲がるような独特の匂いは血？それに切断されて数日が立っているのが匂いから腐敗が進んでいる証拠だ。

これは動物の死体なのか？人間の死体なのか、検討が全く付かない。



___まてよ、あの男はこれを人間の死体だと云ったか、



太「大体分かったよね？」



俺は思わず彼を見た。


安「はい。僕達が見たあたりこれを人だと特定するのは瞬時には理解出来ない。だが、彼は動物の死体、人間の死体だったにせよこれを人間だと断言した」



気が動転してて間違って云ってしまった、と彼に聞けばそう云うだろう。

腐敗の状態、原型が何なのか分からないほど切断されている、この二つから人間だと云う解答には、たどり着かない。


分かったことはあの男は何かを隠している。

・男の話は嘘かいなか→←・裏表の差が激しいのだろう

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