・彼の第一印象 ページ5
降谷side
忠告したにも関わらず、俺の声に何も反応を示さない。
川の水の音で俺の声が掻き消されているのか、この男が俺の声を無視しているのか。
多分、前者だろう。
それしかないとも思った。自ら川に入ろうなんて異常者がすることじゃないか。
そう自分に言い聞かせていると
安「なっ!」
ドボンっと男は背筋を伸ばしたまま川に入っていった。
俺は驚き、思わず声を上げてしまう。
彼が川に入っていった。真逆の自らだ。
そうなったらもう助けるしかない。
俺はあの男を助けるべく榎本梓から頼まれていた物をそっと地面に置き、上に来ていた服を放り投げ、川の方に向かって走り出す。
そして川に身を投げ出す。
ドボンっと云う音ともに水の冷たさが全身に登る。
酸素が薄い。水の中なのだからしょうがないのだが。
泳ぎながらも俺の頭には疑問しかなかった。
何故だ。
俺の声が届かなかったのか。
この川は危険だと前々から云われていた筈だ。
危険だと知りながら、自ら川に入る理由が理解出来ない。考えれば考える程謎は深まるばかりだった。
水の中から時々顔を上げ彼の行方を探るが、水の飛沫が他所から上がっており、何処にいるのか検討が付かない。
助けてくれ、とも声も聞こえない。死にたいのか。
川の流れに沿って進んでいるのだとしたら、男はこの奥に居るのだろう。
ほぉっと大きく息を吸い川に潜る。
口に水が入りながらも逆に俺が溺れないようにしっかりと水をかき分け進む。
___居た!
息継ぎを繰り返しながら、1度潜った際に、人の様な影が見えた。俺は泳ぐスピードを速めた。
男はと云うと、身体を川の流れに任せ目を閉じている。自ら目を閉じているのか、それとも意識が無いのか。どちらにしても危険な状態だ。
水の中で男の着ていた外套を掴んだ。
水を含んだ外套は重く、川の岸を上げるのは少しばかり大変だった。
流れて来た辺りから随分遠くにきたな、と心の中で思う。
砂色の外套に襟が開いているシャツ。
男の顔は青白く、唇も心做しか紫がかっている。
濡れて居て良く分かるが痩せすぎているのが分かる。
岸に上げた男は遠くからでは、あまり見えなかったが、随分と秀麗な顔立ちをしている。
然し頸と手首に巻いた白い包帯が少し気になった。
なんて変な格好をしているんだ
そう横目で思いながら、水に濡れた前髪が邪魔で上にかき上げた。
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のりばやし(プロフ) - 鬼瓦権造という名の名無しさんさん» コメントありがとうございます!一度私なりに修正してみようと思います!つたない言葉遣いで申し訳ありません!アドバイスありがとうございます!!頑張ります!! (2020年4月22日 10時) (レス) id: 450ab9bd17 (このIDを非表示/違反報告)
のりばやし(プロフ) - 鬼瓦権造という名の名無しさんさん» コメントありがとうございます!一度私なりに修正を加えてみる事にしました。つたない言葉遣いで申し訳ありません!アドバイスありがとうございます!!頑張ります! (2020年4月22日 10時) (レス) id: 450ab9bd17 (このIDを非表示/違反報告)
鬼瓦権造という名の名無しさん - コメント失礼します。この作品、私好みでとても面白いです。しかし所々に誤字があり、言葉遣いも少し不適切な部分が見られます。句読点の位置も少し不自然です。一度読み直して確認・修正してはいかがでしょうか。長々と申し訳ありませんでした。応援しています。 (2020年2月9日 2時) (レス) id: 89f5f989ea (このIDを非表示/違反報告)
のりばやし(プロフ) - ノルンさん» ありがとうございます!!頑張ります!! (2020年1月6日 9時) (レス) id: 450ab9bd17 (このIDを非表示/違反報告)
ノルン(プロフ) - 更新お疲れ様です!待ってました!!!! (2020年1月5日 14時) (レス) id: 265a916812 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:のりばやし | 作成日時:2018年5月25日 22時