【コナン×文スト】太宰治が死んだら

・もし彼と同じ立場なら ページ19

中村理事官、中村はもう既に自分の部下に成ることは決まっていたのだ。

引き抜きが決まっていたのなら、何故こちらの意見を伺うような問いをしたのか。


それが私にとって憎悪だった。


決定事項だと云えば私は肯定するしかない。
それもこれも中村の望み通りに動く為の。


しかし、最低限の事はこなしても中村は満足はしないのだ。
満足以前に中村は部下は只の部下としか思っていなく、国家の為に働く道具なのだ。



私が中村と同じ立場なら、そう考える。



これは逆に好機だ。
相手の身の内を知れた以上、私が中村に対して虫唾が走ることは無い。


中「公安は国を守る場所だ。より危険になる。無理にとはいか__」

太「分かりました。その誘いを貰い受けます」

中「嗚呼、良かった」


中村は安堵な表情をしていた。




太「ですが__



部下が噛みつかないからと云って余り油断しないことですね。貴方が優秀だと云う彼がもう既に、背後にピッタリとくっ付いて、いつか蹴落としかねません」



何でも、部下が萎縮し過ぎるのは面倒だ。


私はニコリと笑って中村の目を見て云った。


中「…君は意外と威勢がいいねぇ。神経が図太そうだ。いやぁ、益々楽しみだ」


心に無いことを
中村は表情ひとつ変えていなかった。



太「私も楽しみです」




___
_____

中村は私が誘いを受け取った後、颯爽と警察学校から姿を消した。

まるで、私が誘いを受け取る事を知っていたかのように


そして、私もそろそろ此処とはおさらばだ。

女性は少しは居たが、余り話す事は許されず、(主に同期達)男ばかりで退屈で、その退屈しのぎにジサツを図る位だった。

それも失敗に終わっている。



結局、私は公安となった。
あの中村と手を取った瞬間から。

1章終わり 作者から→←・誘いか脅しか

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す