推しに会えた2【灰谷蘭】

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「ほら、Aチャンちょっと離せ？服取りに行きてぇんだけど。」

『イヤだ』

「イヤだ、じゃねぇんだワ。すぐそこ、目の前の引き出しの中にあるから、お前の視界からは消えねぇよ〜」

『………』



普段から甘えてこいよなぁ、と呟きながらガサゴソと服を選び私に投げつける蘭ちゃん。


「早く着替えろ〜」

『流石に後ろ向いてよ』

「なんで？」

『逆になんで？どさくさに紛れてセクハラしないで』

「蘭くん着替えさせて♡とか言えないわけ？」

『うん』

「そう言うところだけ普通に戻るのやめろ〜」

『いいから後ろ向いて！』

「全然面白くねぇ」


安定のセクハラ発言に安心する日が来るとは思わなかった。
これこそ、灰谷蘭よね。そして彼は秒で振り向きそうなので光の速さで着替える。


『き、着替えた〜』

「惜しいね、あと1秒遅かったら振り返えるつもりだった」

『セクハラ！』

「そんな俺に泣きついてきた女はどこの女だ〜？」



ほらやっぱり振り返ろうとしてたじゃん！

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