【文スト】とりあえず笑っとけ【暗殺教室】

ろっく ページ7

息を荒らげ、慌てたように触手をうねうねと動かす先生(ターゲット)に、烏間さんが低い声で話し掛ける。

｢転校生と新任の教師はもう来ている。さっさと進めろ超生物。｣

｢にゅや！これは失礼しました！咲良Aさんと国木田独歩先生ですね、これからよろしくお願いします。｣

何だか可愛らしい鳴き声？してるなぁと考えながら、友好的に声を掛けてきた先生(ターゲット)に微笑みかけ、右手を差し出した。

｢はい、不束者ですがどうぞよろしくお願いします。｣

いやそんな結婚の挨拶みたいな......というツッコミがどこからが聞こえてきたが、そこは笑顔でスルー。

触手のうちの一本が、私の右手に重ねられた瞬間。

｢ッ！？｣

白く輝く文字がぶわりと、触れた触手にまとわりついた。先程まで大きく笑みを浮かべていた表情からは余裕が消え、焦りが見える。

＿＿＿今。


パンパンパンッ！！


国木田くんが打った三発の銃声音が、木造の校舎内に響き渡った。

｢...........！？｣

水を打ったように静まり返った教室。目の前から、先生(ターゲット)は消えていた。気配を感じて上を見上げると、天井の隅の方に液状化した姿で張り付いている。

｢あーあ、やっぱりそう簡単にはいかないかぁ。｣

｢A、異能力は。｣

｢ダメだね、戻らない(････)。吃驚させるのに役立ったくらいかな。｣

｢そうか。乱歩さんの予想通りだが、異能力が効かないとなると俺たちでも厄介だな。｣

｢ま、気長にやろうよ。私たちの仕事はそれがメインじゃないんだし、ね。｣

ひらひらと右手を振って、冷や汗を垂らしながらこちらを見つめる先生(ターゲット)から目を逸らす。国木田くんも構えていた銃を下ろし、カチャリと眼鏡をかけ直した。

｢殺せんせーに、こんな直ぐに奥の手を......。｣

水色髪の少年がぽつりと呟いた言葉が静かな教室に響く。奥の手、か。資料によると月に一度だけ使える脱皮というのもあるらしいな、そういえば。

頭の中の資料を思い返しつつ、ふむと顎に手を当てる。異能力は使えない、鉛玉も効果なし、おまけにスピードはマッハ20で、奥の手だって他にもあるだろう。



しかしまぁ......暗殺は不可能ではない、か。

国木田くんにちらりと視線を向けると、私が考えていることが伝わったのか彼も小さく頷いた。

なな→←ごっ

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