今宵、月夜に君は輝く。Ⅱ (ページ28)

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「この近くにいいお店あるの。歩いて行かない？」

おすすめのお店に行くことになった

高いハイヒールを履いてるにも関わらず、ずんずん歩いていく
そんな背中に早足で食らいつく
私はぺったんこの靴だっていうのに着いてくのに精一杯

「名前って聞いてなかったよね？」

『日比谷Aです』

「Aね。私は幹山、幹山夏鈴」

『幹山さんは、何歳なんですか？』

私より3.4歳年上ぐらいかな？
同年代では感じたことないオーラが滲み出てるから

「あはーそれ聞いちゃう？
なんと今年で、33」

『えー？！』

うるさいっつーの
って、注意しながら満更でもない表情の幹山さん

「みえない？」

『みえないです！』

「今のでちょっと元気になった」

30代には到底見えない

大倉さんとは、 2歳差だ。

大倉さんも若く見えるけど、幹山さんもすごく若く見える

「Aは何歳？」

『26です』

うわー若いね！
って言ってくれたけど、かりんちゃんも余裕で20代で通用する

ピンとした背筋に、全身ブランド物を身につけてる姿を見る限り20代纏ってるオーラではないなって感じだけど

『幹山さんのご職業って？』

「アパレル店員。あとちょっとだけモデルも」

『モデル！ずっと背筋ピーンとしてて、かっこいいなっておもってたんです！』

少しだけ熱くなった私を見て、照れくさそうに笑った姿を見てキュンとする。

色々お話してると、あっという間にお店の目の前。
お洒落なイタリアンとかを想像してたけど、着いたの昔ながらの居酒屋

おしゃれなお店よりこっちの方が色々話しやすそうでて嬉しい

「おじさーん！席、空いてる？」

「おぅ、空いてるぞー！」

お店の人とのやり取りからしてかりんちゃんはよくここに来るらしい

「何飲む？」

『えっと、じゃあ生で』
「私も生にしよーかな」

生2つとおつまみとかを適当に色々頼んだ。

そして
あっという間に、生2つが運ばれてきた。

「かんぱーい」
『かんぱーい』

まさか、2人でお酒を飲ことになるとは…

でも結局なんだかんだか幹山さんは、話すのも聞くのも上手で楽しくなってきた

上司がめんどくさいとか、クレーマーがいるとかの仕事の愚痴から家で買ってる犬が可愛いみたいなほのぼのする話まで色々した