今宵、月夜に君は輝く。Ⅱ (ページ26)

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朝、玄関にあるダンボールを見て昨日の出来事は全部夢じゃなかったことを再確認し頭を抱える。

昨日は、あの後の記憶が殆ど無い。
逃げるように、勝手に部屋を飛び出して……
明日会ったら気まずいなー、、。なんて考えて

…ここから記憶が無い。

昨日の出来事思い出すだけで心臓が一気にうるさくなる。

忘れようと思っても頭にあの時の大倉さんが鮮明にフラッシュバックしてきて心臓は爆発寸前

章大くん衝撃の事実を聞いて、何故か酔った大倉さんにキスをされて……

最近は忙しすぎて心身共に疲れてしまった

心も身体も重い。

そんな時でも容赦なく月曜日はやってきて
当たり前に出勤しないと行けない事実…

・

どうか、大倉さんに会いませんように！

扉の前で手を合わせて念じる。

扉を少し開けて、キョロキョロと外に大倉さんがいないか確認する。

『…よし、いない』

確認して急ぎ足でエレベーターに向う。

エレベーターにのって＂閉＂ボタンを押そうとした瞬間見えた、部屋から出たばかりの大倉さん。

一瞬目が合った気がして、今までにないぐらい＂閉＂ボタンを連打する。

連打のかいあってか、大倉さんにしっかり会うまでにエレベーターは進み出した。

大倉さんって初めて会った日に教えてくれて片思いしてた人のことまだ好きだったりするのかな

だとしたら昨日のキスは
＂昨日はごめん。脳内で好きな人に置き換えてキスしてしてしまった＂

だとか

"昨日、何故か好きな人のこと思い出しちゃって好きな人とできない代わりにキスしたわ＂

という可能性も無きにしも非ず。

こんなこと改めて言われたら、膝から崩れ落ちる
ここまで直接的じゃなくても、こんなニュアンスだったら結構ダメージくる

覚えていて欲しいような、覚えてないで欲しいような

ぐらぐらと揺れに揺れまくってる天秤は一向に止まりそうにない。

大倉さんが覚えてなかったら、私めちゃくちゃ感じ悪すぎる
さっきもそうだし、机の上の缶とか出しっぱなし何も言わずに勝手に帰ったことも。

けど、大倉さんに会わないようにマンションを早足で出る足は止まらない

1歩、1歩と踏み出す度に心がズーンと重くなる気がした

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