今宵、月夜に君は輝く。Ⅱ (ページ2)

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目の前にいる、お姉さんが章大くんの新しい彼女。

もしかしたら、この人が原因で別れることになったのかもしれない。

けど不思議と憎しみとかそういうの込み上げてこなかった

でも、やっぱり
この人と付き合うために私と別れたのかな。
って考えたら辛くなって。

そんな気持ちが伝わったのか大倉さんの大きな手が私の手をぎゅっと握ってくれた

「こちらこそ、うちの彼女お世話になりました」

章大くんに向かって大倉さんがそう言った。

もしかしたら大倉さんは、気づいてるのかもしれない

初めてあった日に、大倉さんに話した人は目の前にいる彼だってことに

「じゃあ、彼女具合悪そうですし僕らはこれで」

「そうですね。彼女さん、ゆっくり休んでね」

お姉さんの優しさに触れる度、辛くなってしまう

この人は、私よりずーっと章大くんにお似合いだって実感するから

『ありがとうございます』
そう言って後ろ向く

大倉さんが手を繋いだまま進みだそうとしたら、

「あの、、、!」

章大くんがそう言って私たちが歩みだそうとするのをとめて

「A、、、さんを、、よろしくお願いします」

辛そうにそう言った。

何か熱いものが込み上げてくるのが自分でも分かった

「、、わかりました」

私の顔をチラッと見てから少し困ったように大倉さんが章大くんに返事をした

章大くんは私が大倉さんと付き合ってると勘違いしてる。

違うよ、付き合ってないんだよ。
私は今でも章大くんが好きだよ。

そう言ったら、章大くんは私のところに戻ってきて
やり直そう。と言ってくれるだろうか