羅刹の幻影は囁く part10

【282】＿＿アンSIDE ページ25

思わず鼻歌を歌いたくなる位、今日は最高な気分！
好きなブランドの新作も買えて、バーゲンセールも勝ち取った！
あそこからのハイリターンな疾走、僕って本当に天才だよね♪



アン「あとは“candia”の新作チークと、マスカラ……あっ、“Teraria”でもグロスでてるじゃん！」


買いもの袋(戦利品)を横に置いて、次のお店(ターゲット)をどこにしようか絞る。

ふふふっ、CLUB CANDYのNO,1アン様にとって、これくらいの出費は痛くも痒くもない。馬鹿みたいに、ないのにお金を浪費するアレンとは違って、僕はNO,1だからお給料たーんまりあるし…今日は好きなだけ買い物しまくるぞー！



・・・・・・持ちきれなくなったら、アレンを呼んで荷物持ちさせよ♡



ふふん、と笑いをこぼし、めぼしい店のページをめくるとともに、ショッピングモール内の雰囲気を楽しむ。
あそこにパフェのお店で来てるじゃん！丁度甘いもの食べたかったし、行ってみようかなぁ〜。でも今混んでるし……メイク見終わってからでもいいかな！



アン「よし、それじゃあ次は………あれ？」


次に行こうとしていた馴染みのお店に見知った背中を発見した。あの後ろ姿、絶対そうだよね？


相手に気付かれないようにそーっと近づく。
あともう少しで背中を叩ける、と思った瞬間、バッと振りむかれた。



アン「あ〜もうちょっとで脅かせたのにぃ……。なんで振り向くの、A！」
『いや何で怒られるの、私』




意味わからん、と苦渋な顔を浮かべるのは、前のイベントぶりにあったAだった。

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