【156】 ページ45
恥じらいなさいよ、とグチを吐きつつ包帯は取り換えてくれる。手際がいいから、ヤブ…ではないんだよなぁ。腕もいいし。
実里「晴臣君が心配するわよ」
包帯を巻きながら言う実里の言葉にギクリと体が強張る。
『……晴兄は関係ない』
実里「あのねぇ。ちょっと行方不明だった大事な妹が、すーぐボロボロになるなんて知ったら…どーなるか分かっているでしょ？」
その言葉を聞いて何も言えない。
実際、晴兄に迷惑かけたのは事実だ。許してもらおうなんて、思ったことないのに。
『怪我何ていつもの事だ』
実里「今回やばかったのは本気よ」
『……分かってる』
実里「今回も命令なの？」
『……そうじゃないと受けるわけがないだろ』
実里「……年若い娘にする仕事とは思えないわね。あんたの上司、鬼畜ねぇ」
『追い詰めるためにやっているんだろ』
じゃなきゃ、この枷をいつまでも私に繋いでいる筈がない。
手の中で踊る私が面白いんだろうな。
実里「まぁ、何でもいいけど。晴臣君は、もう苦しませちゃダメよ。あんたがいなくなって、大分荒れてた時期だってあったんだから」
『そうしたいけど………私はきっと、晴兄より長く生きられない』
実里「20いったばっかの小娘が何をいって」
『分かるんだよ。このまま、この調子が続けば…きっといつか本当の意味でしくじる。それ
か、散々利用されて……ポイされるんだろう』
首の後ろにつけられているバーコードの入れ墨をなぞる。
これがある限り、私は一生逃げられない…これを触るたびに、それを思い出す。
『私は所詮、飼い慣らされた犬なんだよ』
自嘲気味に笑うと、微妙な顔を浮かべられた。
これを晴兄が聞いていたら、私ぶん殴られただろうなぁ。
ともかく、傷が治るまでは雷麺亭に近づけない。電話で誤魔化そう。
実里「アンタ今、電話で誤魔化そうとか思ってるでしょ」
なんでわかるんだよ、という意図をこめて眉を寄せて実里を睨んだ。
大げさに溜息を吐かれ、「本当にじゃじゃ馬ね」と小言が漏れている。
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テルミヤコウジ(プロフ) - らむねさん» 展開怒涛過ぎますよね。CD内以外のストーリーはほぼ妄想なので、楽しんでいただければ幸いです！ｋろえからも頑張ります (2021年8月16日 0時) (
レス) id: 3b90083b4f (このIDを非表示/違反報告)
らむね - どんどんすごい展開になってきてますね！応援してます！ (2021年8月15日 22時) (レス) id: be5ec27fa6 (このIDを非表示/違反報告)
テルミヤコウジ(プロフ) - らむねさん» ありがとうございます！ほとんどがオリジナル展開ですが、今後とも頑張って続けていくので応援よろしくお願いします！ (2021年8月9日 22時) (レス) id: 3b90083b4f (このIDを非表示/違反報告)
らむね - 一気読みさせてもらいました！めちゃくちゃ面白かったです！更新頑張ってください！！！ (2021年8月8日 6時) (レス) id: 663a3c4de7 (このIDを非表示/違反報告)
テルミヤコウジ(プロフ) - 沙羅さん» ありがとうございます！パラライを知っている方、好きな方が中々いらっしゃらないので、そのようなコメントは嬉しいです！夜叉様との絡みもしたいです！今後ドラマCDの展開が読めないので、追々と考えておりますが、ご期待下さい！ (2021年7月27日 0時) (レス) id: 3b90083b4f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：テルミヤコウジ | 作成日時：2021年7月25日 19時
