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【144】__The Cat’s Whiskers SIDE ページ33

四季がつまずいたのは人の足。
その持ち主である人物はぐったりした様子で大量のごみ袋に背をつけ、腹の部分を抑えていた。よく見ると、抑えてる腹の部分からは血がにじんでいるのが見える。



四季「っ…血…?……!?」



今度はフワッとした感触が足に当たり、その場から飛び上がる。
が、真下にいた感触の正体に、「へっ?」と惚けた声が出た。



四季「…リ、リック、くん?」



その正体は以前出会ったAが飼っているチンチラのリックだった。そして、もう一度ぐったりしている人物を見る。



まさか…と思いながら、そっと被っているフードを外す。




四季「A…さん?」





 _「おい!いたか!?」





四季「っ!!?」




どこからともなく、ガラの悪そうな荒声が聞こえ、再び飛び上がる四季。
そんな四季の肩に上ったリックは何かを訴えるように、小さな手を四季の頬に充てる。




四季「り、リック君?あ、あの人たちは……」





 _「クソ!あのクソアマ!見つけ出したらタダじゃ置かねぇ!」
 _「あれを盗られたら…俺等終わりだぞ!!もっと探せ!!」






四季「っ…(戻らないと)」




酒場に戻ろうと、足を向けようとしたが、リックの存在とAの存在を思い出し、頭を悩ませる。四季の肩からピョンッと降りたリックは動かないAの手にスリスリと体をこすり合わせる。



四季(で、でも僕1人で帰ったら…………っ)



ギュッと震える手を握り、しゃがみ込むとAの腕を自身の首に回し、何とか持ち上げる……ことは無理なので、支えて、そのままずるずると引きずりながら歩き出す。





四季「っ……くっ、ぅっ」





自分よりも身長が大きなAを支えて歩くことに苦戦しながら、後方から聞こえる男たちがこちらに来ないように祈り、帰路へ着いた。

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テルミヤコウジ(プロフ) - らむねさん» 展開怒涛過ぎますよね。CD内以外のストーリーはほぼ妄想なので、楽しんでいただければ幸いです!kろえからも頑張ります (2021年8月16日 0時) (レス) id: 3b90083b4f (このIDを非表示/違反報告)
らむね - どんどんすごい展開になってきてますね!応援してます! (2021年8月15日 22時) (レス) id: be5ec27fa6 (このIDを非表示/違反報告)
テルミヤコウジ(プロフ) - らむねさん» ありがとうございます!ほとんどがオリジナル展開ですが、今後とも頑張って続けていくので応援よろしくお願いします! (2021年8月9日 22時) (レス) id: 3b90083b4f (このIDを非表示/違反報告)
らむね - 一気読みさせてもらいました!めちゃくちゃ面白かったです!更新頑張ってください!!! (2021年8月8日 6時) (レス) id: 663a3c4de7 (このIDを非表示/違反報告)
テルミヤコウジ(プロフ) - 沙羅さん» ありがとうございます!パラライを知っている方、好きな方が中々いらっしゃらないので、そのようなコメントは嬉しいです!夜叉様との絡みもしたいです!今後ドラマCDの展開が読めないので、追々と考えておりますが、ご期待下さい! (2021年7月27日 0時) (レス) id: 3b90083b4f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:テルミヤコウジ | 作成日時:2021年7月25日 19時

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