【DESIRE】10 ページ39
ASIDE
煩い2人を連れて、珂波汰達の家があるスラム街周辺にきた。
『…そういえば、夏準はどうしたんだ？』
アン「知らない。“僕には関係ない事ですから”って言って、どっか行っちゃった」
『薄情だな、アイツ』
アン「ほんとっ！夏準が危険な目にあっても、ぜーったい助けてあげない」
アレン「夏準が助けを求める事、あると思うか？」
アン「………いや、ないかも」
アレン「だよな」
『…………どうかな』
「「え？」」
『いや、何もない。もういいから行く……！』
その時、ピリリッとスマホの着信音がなる。
その着信音の設定を聞いて、眉が寄ってしまうのはもう仕方がない。
たくっ、昨日も連絡してきたのに…。
『悪い、ちょっと仕事だ。ここで待っていてくれ』
アン「え〜依頼中なんだけど」
アレン「俺の金だけど、な！」
『ちょっとだけだ。すぐ済む。だから、ここで大人しく、大人しく、大人しく！！
…待ってろ』
アレン「3度も言うなよ！」
言わないと暴れるからだろ、と喉まで出た言葉を飲み込み、その場を速足で離れる。
暫くしたところで角があったので、曲がり、誰もいない事を確かめる。
『……もしもし』
嫌々とスマホを耳に当て、電話に出ると昨日も聞いた声が鼓膜を揺らす。
『……BAEとcozmezですか……いえ、はい…………えっ？』
電話先で命令された内容に目を見開く。
思わず、自身のペンダントを握り締める。
『…………いや、でも……………………いいえ、はい。分かりました』
ピリッと一瞬痺れたように感じた首の後ろを撫でながら、そう返事を返す。
最後に出された命令に『了解』とだけ言い、電話を切った。
たった数十秒の電話なのに、肩に鉄の重みがぶら下がったようだ。
晴兄から仕事は程々に、と忠告を受けたばかりなのに……多分、また心配かけてしまうな。
スッと首の後ろのタトゥーに触れる。
普通の肌とは違う、ザラザラとした表面と無機質な冷たさに眉を寄せ、溜息を吐いた。
『……私はいつ、解放されるんだろうな』
もうありもしない希望を呟き、灰色の空を見上げた。
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テルミヤコウジ(プロフ) - KARAKARA666_さん» ありがとうございます！これからも更新続けていきますので、よろしくお願いします！ (2022年1月9日 9時) (
レス) id: 3b90083b4f (このIDを非表示/違反報告)
KARAKARA666_(プロフ) - 素敵な作品を作ってくださりありがとうございます。これからも楽しみにしています (2022年1月8日 2時) (レス) id: c4cee0671b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：テルミヤコウジ | 作成日時：2021年7月17日 23時
