【118】＿＿夏準SIDE ページ26
『…やっぱ、私お前苦手だわ』
夏準「嫌いじゃないんですね、嬉しいです」
『よく笑えるよな。そういう教訓でも受けたのか？御曹司様は』
夏準「ふふっ、それも誉め言葉ですよ」
『あ、そう』と吐き捨て、包丁をシンクにおくと野菜を炒め始めた。
『仲良くしない方がいいよ、私とは』
夏準「僕は使えるものはなんでも使います。あなたは使える存在なんでしょう？だったら精々僕に利用されてください」
『……へぇ』
スッと彼女の片目が細まった途端、グイッと胸ぐらをつかまれ、引き寄せられる。
眼帯に隠されていない方の紫紺の瞳が狼狽えた表情の僕を映していた。
『利用、できたらいいね』
口のあたりに意地の悪い笑みが彫られたように、冷笑的な薄笑いを浮かべている彼女。
以前感じたゾクゾクとしたような感覚と共に、全身が凍り付くような悪寒が身体を突き抜ける。
パッと手を離した彼女は視線を僕から手元のフライパンに戻していた。
思わず口元を手で覆って、声に出して笑ってしまう。
夏準「あぁ、やっぱり。僕は貴女の事、かなり気に入っています」
『そりゃ最悪だな』
夏準「今後とも、よろしくお願いしますね。A」
媚びるような声で彼女の名前を告げると、まるで地面を這う虫を見るような侮蔑の目を向けられ、『拒否権を行使する』と文句を言ったのだった。
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テルミヤコウジ(プロフ) - KARAKARA666_さん» ありがとうございます！これからも更新続けていきますので、よろしくお願いします！ (2022年1月9日 9時) (
レス) id: 3b90083b4f (このIDを非表示/違反報告)
KARAKARA666_(プロフ) - 素敵な作品を作ってくださりありがとうございます。これからも楽しみにしています (2022年1月8日 2時) (レス) id: c4cee0671b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：テルミヤコウジ | 作成日時：2021年7月17日 23時
