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【108】 ページ16

『中核は人間で例えると心臓だ。今のメタルは魂となる部分を削り取ったから、他が崩れて脆くなる。そしたらただの黒い石の出来上がり』



試しにゴミ箱に入れた黒い石を摘まみ、ギュッと力を籠めるとバラバラと崩れ、空中に漂った。



『私の仕事はその中核を削り取って、ライブをする上で必要はメタルのアクセサリーを作ったりする。他にも石の調整とかなんかもしている。CLUB paradoxにいた時は、備え付けられているファントメタルのミラーボールの調整をしていたんだ』

珂波汰「…あぁ、だから会場にいたのか」



そういう事だ、と説明し、アタッシュケースを仕舞う。



珂波汰「それ、俺に教えていいのかよ。ファントメタルは高く売れる。隠してる場所も俺に教えたら…」

『お前は盗まないよ』

珂波汰「なっ、なんでそんな…」

『これは足がつきやすい。態々危険な橋に飛び込むなんて、お前がするとも考えられない』



私がそう言うとポカーンとした顔を浮かべている。



『そんなに固く考えるなよ。普段ならこういうケースには鍵つけてるし、無理やり開けようものならそのまま爆破する仕掛けも作ってる』

那由汰「え、怖っ」

『それに事務所に置いているケースはほぼない。自宅別にあるから、そっちに保管しているのがほぼだ』



今回は偶々だ、とそう教えると「そうかよ」とぶっきらぼうに吐き捨てられる。
その時、丁度2人分の腹の音が鳴った。

1つは私で、もう一つはそっぽ向いた珂波汰のものだ。



『もう昼か…。飯、食っていく?』
那由汰「え、食う」
珂波汰「那由汰!早ぇよ!」
『何があったかな……あ、チャーハン作れるけど』
那由汰「俺、チャーハン好き。食べたい」



冷蔵庫を除くとチャーハンを作れる材料だったので提案すると那由汰の方はすぐに声を上げる。一方で珂波汰は文句を言っているけど。



『いらないなら2人分しか作らないけど』
珂波汰「べ、別に食わないとは…」
『ハッキリしろよ、ウザイな』
珂波汰「食うよ!!食えばいいんだろ!!」


素直じゃない珂波汰に呆れの溜息を送り、食材を取り出した。



文句言っていたわりにチャーハンお代わりをした珂波汰だったけど。

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テルミヤコウジ(プロフ) - KARAKARA666_さん» ありがとうございます!これからも更新続けていきますので、よろしくお願いします! (2022年1月9日 9時) (レス) id: 3b90083b4f (このIDを非表示/違反報告)
KARAKARA666_(プロフ) - 素敵な作品を作ってくださりありがとうございます。これからも楽しみにしています (2022年1月8日 2時) (レス) id: c4cee0671b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:テルミヤコウジ | 作成日時:2021年7月17日 23時

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