g i f t five ページ5
Aside
次の日になり、それでも桃香さんは帰ってこなかった。
昨日の夜に、失踪届けが出されたらしい。
桃香さんのチラシも今日の朝、通学路で配っていた。
事がどんどん重大になっている...。
「どーしたのっ！！」
「うわぁ！...叶か...」
びっくりした...。
「これ見た？」
そういって、桃香さん事件(仮)のチラシをバッっと出す。
「...ん？二重？」
「あぁ、これはねぇ...」
ガサガサと順番を入れ替えて、はいっ！と見せてくれる。
「...希未さん事件第2の被害者？またまたか？...え？誰から貰ったの？」
「これ？あのメガネは〜、新聞部かな。」
「...第2の被害者か...。誰だろ...」
「...花袋ちゃんとか...？」
確かにこの前「次は私だ」って言ってたな...
でも...
「下駄箱に靴があったから違うと思う...」
「...メガネ捕まえて吐かせる？」
叶が物騒な事を言い出したよ！？
「叶...暴力はダメだよ...？」
「でも...じゃあ誰がいなくなったって誰に聞くの？」
確かに...宛はない。
でももしかしたら...
「...クラス」
「クラス？クラスメイト？」
「うん。だってこの前だって早くに噂が出回ってたから...。」
「...そっか、そうだね、うん。聞きに行こう！」
言うが早いか、叶は私の手を取り駆け出した。
「...え？ちょ...は、速っ...！」
見かけによらず足の速い叶にお世辞でも速いとは言えない私の足では速さが全然違うのだ。
「はぁ...ぜぇ...ふぅ...」
走り過ぎたせいで早くなった呼吸を整え、扉を開ける。
少し古い扉を開けるとクラスは少しざわざわとしていて一部分に人が集まっていた。
「どうしたのかな...」
「うん。やっぱり、被害者の事じゃない？」
「やっほ」その言葉とほぼ同じぐらいのタイミングで誰かが私の肩を叩く
「ひゃあ！」
驚いて声がした方を見ると音羽がいた。
「うおっ、そんなに驚く？」
「驚くよ！って、そんな事はどうでも良くて、あの集まりはなんだか知ってる？」
「あれ？あれはねぇ、希未さんの第2の被害者！
「え？なんで？」
「叶ちゃん、なんでってそりゃ、次は自分かもって恐怖感からでしょ？
情報はないよりあったほうがいいからね。」
「で？音羽は聞きにいかなくていいの？」
「ぼく？ぼくはいいのー。だって恐怖感なんてないしね。」
そう言って面白そうに笑った。
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作者名：白い悪魔 | 作成日時：2017年4月16日 7時
