g i f t twenty ページ20
Aside
パチリ...と目が覚める。
あぁ、眠ちゃってたのか＿
そう思って周りを見渡すとさっきの私のように寝ている子達が起き始めていた。
「A〜...そんなに、食べちゃダメだよぉ〜」
音羽の寝言が隣から聞こえるんだけど...
音羽の夢の中で私は何をしているんだ？
ジ...ジジ...ジジジ...ジジ...ジ...ジ ﾊﾟﾁｯ
...え？なんの音？？
『
まこ...？
それはバスの頭上についている画面の中にいる髪の長い女の子の名前みたいだ
「きゃぁぁ！」
女子の甲高い声が聞こえる。
急いで声の発生源に向かうと赤くなったものがあった
その隣には多分失神してしまったであろう女子生徒。
「...この席って委員長じゃなかった？」
私の後から来た叶がボソッと呟く
「隣の子に聞こうにも失神しちゃってる...」
私たちが隣にいないことを不審に思ったのか
「A〜？叶〜？」
寝起きの音羽がゆっくりとこっちに歩を進める
音羽がこれを見たらどう思うだろう
もしかしたらパニックに陥るかもしれない
いや、普通ならば陥るはずだ。
１人パニックになればどんどん広がっていく可能性がある
「音羽！来ちゃダメ！！」
そう叫ぶが音羽は気にも止めずに歩く
「もぉー、何があるって...」
プツリと途切れた音羽の声はこの空間の異常さを物語っていた
「...そこって委員長の席だよね？」
音羽はあくまで落ち着いた声で私たちに聞く
きっと音羽も解っているのだろう
自分がパニックになれば周りに感染するように広がると。
「うん。委員長の席だった所だよ」
赤黒いシミを残して消えた委員長は...きっと...
『ちょっと、ちょっとぉ〜そこの３人！運転中のバスは移動禁止だゾ ☆
そ・れ・に 委員長？って子の話で盛り上がるのはいいけど、大人しくしててよねぇ
てゆーか、もっと叫んじゃっていいんだよ？ほら、きゃーってわーって！』
けらけら笑うMakoはこちらの状態が見えているようだ
『もう気づいてるんでしょ？
君たち立ってる子達は...
これだけで終わるはずがないって...ね？』
楽しそうにキャハハと笑うMakoはこちらの思考さえも汲み取ってしまうのか...
そしてきっと何を言っても煙に巻かれてしまう
Makoは今この場を支配したのだ
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作者名：白い悪魔 | 作成日時：2017年4月16日 7時
