g i f t fifteen ページ15
Aside
「それは……
.
…gift。」
叶が重々しく口を開く
「ギフトって英語でしょ？
確か……贈り物？だっけ？
それのどこがおかしいの？ってボクは思うんだけど。」
贈り物的な意味の香水とかよくあると思うけど...と音羽が不思議そうに言う
確かに、英語だと贈り物だけど。
「もしかしたら、それ英語読みじゃなくて、ドイツ語読みかもしれない。」
私の発言に叶が頷く。
「ドイツ語……？？？
ギフトって英語だけじゃないの？」
「うん。英語とドイツ語で読めるの。
で、ドイツ語で読んだgiftの意味は…
“毒”。」
「だから、音羽ちゃんの言うように贈り物、しかも“毒の贈り物”かもしれない。って言うことかな。」
「よくドイツ語なんて２人共知ってるね。」
「まぁ、そこの話は置いておこうか。」
ドイツ語に関しては一般常識程度だ。
叶は分からないが...。
それにしてもよく考えたものだ。
毒の贈り物なんて。
しかも願いが叶っちゃう。なんて...
「あ、でねでね、吹奏楽部の子が実咲ちゃんに聞いたんだって。
「何飲んでるの？」って、」
ここで音羽が焦らすようにタメを作る
「そしたら〜、「サックスが上手くなるおまじない」って！
やっぱり希未さんから貰ったんだよ！」
音羽が興奮した様に捲し立てるが、決定づけていいのか。
「待って。それは聞いたの？その子が遠矢さんの口から「希未さんから貰った」って。」
「うん。その子がもっと踏み込んで質問したら、Dear.Nozomiって書いてあるメッセージカードと一緒に机に置いてあったんだって。
多分お母さんが置いたんじゃないかって言ってた」
メッセージカード？
「メッセージカードは他には何か書いてなかったの？」
「それが...、
『貴女の願いは聞き届けました。
この願いを叶える物“gift”を1日に1口飲んでください。出来るだけ人がいるところの方が効果があるでしょう。1週間後また会いましょう。』っていう文なんだって」
音羽はつらつらと全文章をつっかえること無く述べてみせて、「しかもPCで打ったような文字」と付け足す。
「で？おまじないの効果は？効いたの？」
ワクワクしたように若干食い気味で叶が聞く
「効いたらしいよ。
サックスのソロで選ばれたって。
もともと５、６人のサックス奏者の中でも上手いほうじゃなかったらしいし。」
なるほど。そこまで効果はあるのか...。
例え毒でも欲しがる子はいそうだな...
g i f t sixteen→←g i f t fourteen
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 3人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：白い悪魔 | 作成日時：2017年4月16日 7時
