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46話 ページ8

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「あ、おばちゃん。僕、チョコレートパフェね。」

「妾にはサンドウィッチを」

「じゃあ、僕はナポリタンで」

「珈琲を1つ」



探偵社の皆さんがそれぞれ注文する中、私は軽いものにしようとイチゴのパンケーキを頼む。



テーブル席には私と敦くん、谷崎さん、ナオミさん。もう1つのテーブル席には与謝野さんと乱歩さんと賢治くん。
カウンター席に太宰さんと国木田さん。



各々会話をしていたが、私は会話に混ざる事なく先に来た紅茶に砂糖を入れずっと掻き回していた。




「あぁ!美しい人よ」



その時聞こえた声。
その声を辿れば先程までカウンターに座っていた太宰さんで。
いつのまにか彼は女給さんの手を握って跪いている。




「美しい方、どうか私と心中して頂けないだろうか?」



_____し、心中ぅ??




その単語に私は目を見開く。
彼が自 殺愛好家なのは聴いていたがまさか誰かと心中希望?それに、美人な人と……。




「うわぁ…。またやってますね太宰さん。」


『“また”?いつもあんな風にやっているの?』




隣に座っている敦くんが冷めた目で太宰さんを見てそう云ったことに私は聞き返す。



「はい。綺麗な人を見つけたらあぁやって口説いてるんですよ。いつも振られてますが……。でも、Aさんがいるから他の人を口説くのをやめたのかと思ったら、……ほんと何やってんでしょうあの人」



もう一度太宰さんに視線を移せば、彼は丁度国木田さんに殴られていたところで渋々席に戻っていく。



「____Aさんがいるから他の人を口説くのをやめた」



『私がいるから?』



私に記憶がなくて、異能力を使えないから、1人にするのは危険だから……。
太宰さんは優しいから私を心配してくれる。
私がいたら、太宰さんは好きな人を口説く事もその人と一緒にいる事も出来なくなってしまう。




もしかしたら、私は____






迷惑者





その考えが頭を巡った。
迷惑になったから太宰さんは……。





「Aさん?」




敦くんの声が遠くに聞こえた。
私は飲みかけの紅茶を置いて、立ち上がる。『ちょっと外の空気吸ってくるね』と、でも云ったのだと思う。足はそのまま扉に向かい、私は外に出た。








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Kigiri(プロフ) - 詞の選び方一つ一つがとても好きです。新作を心待ちにしています!! (2019年5月4日 19時) (レス) id: 9b7da1f6da (このIDを非表示/違反報告)
るーりー(プロフ) - とってもおもしろかったです!新作も楽しみにしています! (2019年5月4日 15時) (レス) id: 015d425faa (このIDを非表示/違反報告)
真緒(プロフ) - ン"ーーーー面白かったです!!!!!!番外編お願いします!!! (2019年5月4日 15時) (レス) id: 290bbc209c (このIDを非表示/違反報告)
陽香 - 沢山ある文ストの夢小説から,たまたま見かけて,面白そうだったから,前作の1話から今作の49話まで全て読みました。面白いと思います。次の50話の展開が気になりますね。今後も更新を楽しみにさせていただきますね(^_^)作者さん,頑張って下さい(^_^) (2019年4月22日 7時) (レス) id: 7be101f077 (このIDを非表示/違反報告)
Kigiri(プロフ) - ほんといつも読んでいてどきどきします!!もう穴が開くほど読み返しました!!((← 応援しています!がんばってください!!!! (2019年4月22日 3時) (レス) id: d36ce0e605 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:月華桜 | 作成日時:2019年4月15日 23時

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