49 涙を拭って ページ49
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TH「あ、そういえばさ」
テヒョンが思い出したかのように言った。
それだけで何の話なのか分かってしまう。
「…うん」
TH「ジョングクに聞いてはみたんだけど、相手の子が誰なのかは答えてくれなかった」
「そっか…」
TH「ごめんね、何もできなくて」
「なんでテヒョンが謝るの!私こそごめんね。
ありがとう、聞いてくれて。」
TH「俺も気になってたから全然だよ。ヌナから聞いたっていうのもあれかなって思って、一応俺がその光景見たことにしたから」
テヒョンのその判断はほんとにありがたかった。
私が見たことをグクに知られて、さらにはそれで落ち込んでたことなんかバレたら私の気持ちがグクに伝わってしまうから。
そうしたら今みたいに側にいられないかもしれない。
そんなことを思ったあと、私はひどい女だなと思った。私のことを好きだと言ってくれてるテヒョンの優しさをありがたいと思うなんて。
テヒョンは私のことを考えてくれているのに私はグクと一緒にいられるか、そうやって自分のことしか考えてなくて。
TH「…大丈夫?」
そんなことを考えて黙り込んだ私に、テヒョンは心配したような声でそう聞く。
「うん、大丈夫。テヒョン色々ありがとう」
これ以上心配させてもいけないと笑ったけれど、
TH「……ねえ、ヌナ。
無理して笑わなくていいよ」
テヒョンはそう言ってまた私を優しく包み込んだ。
TH「辛かったでしょ、好きなやつと他の子のそんなシーン見て。簡単に忘れられないよね」
私を抱きしめるその腕があまりにも優しいから。
「…あれ?」
なぜか私の目からはポロポロと涙があふれて。
え?なんで私今更泣いてるの?
そんな自分に自分で驚く。
TH「…よしよし。ヌナ、辛かったね」
よしよし、なんて効果音付きで私の頭を優しく撫でてくれるテヒョン。
それがあまりにもテヒョンらしくて、そして包んでくれるテヒョンの身体が暖かくて。
私は涙が止まらなかった。
「…テヒョン、ありがとう」
少しして落ち着いてテヒョンから離れると、テヒョンの服が私の涙でぐっしょり濡れていた。
けれどテヒョンは全く気にする様子もなく、私の涙をその長くて綺麗な指で拭う。
あのあとしばらく私は涙を流して、テヒョンはその間ずっと私を抱きしめてくれた。
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mii(プロフ) - はぁ、もうね大好き (2021年8月18日 8時) (レス) id: d47eb74ff4 (このIDを非表示/違反報告)
かなみ - はじめまして。とても感動しました。グク編も読みたいです^_^ (2021年2月6日 2時) (レス) id: 283143d3e0 (このIDを非表示/違反報告)
なのか(プロフ) - 夏さん» 夏さん!コメントありがとうございますうう( ; ; )遊び人として書かれがちなテテちゃんですが、私は勝手にすごく一途な人だと思っててそれを書きたかったので、そう言ってもらえると嬉しいです…!早く続きを書けるように頑張ります(*^^*) (2020年4月8日 18時) (レス) id: 59d638975a (このIDを非表示/違反報告)
夏(プロフ) - はじめまして^ ^お話とてもおもしろいです!グクペンですが一途に主人公を思うテテ好きです(*^^*)どっちとくっつくかドキドキします! (2020年4月8日 0時) (レス) id: 13b7e644bd (このIDを非表示/違反報告)
なのか(プロフ) - Kumiさん» Kumiさんコメントありがとうございます!これからどんどんテテのターンになっていくので是非楽しみにしててください!(笑)早くこちらの続きを書けるように頑張ります(*^^*) (2020年4月6日 3時) (レス) id: 59d638975a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ナノカ | 作成日時:2020年3月18日 22時