【完結】[ﾂｲｽﾃ]人魚姫は魔女に恋焦がれⅡ-Azul- (ページ6)

今日:4 hit、昨日:1 hit、合計:134,901 hit

51 ページ6

進歩とも取れる彼女の成長、しかし代償が大きすぎる
どれ程辛かった事か、悲しかったことか…
一緒にいた分だけ彼らからの拒絶は
彼女に響くものがあっただろう

『あず…る…じぇ、い…ど……ふろ…い…ど…』

小さく呟く彼女に起きたかと身を近づけるが
どうやら寝言のようだ
苦しそうに眉間にシワを寄せホロリと涙を流す姿が
自分にはとてもじゃないが耐えられなかった

ヴィル｢大丈夫よ。きっとすぐに元通りになるから｣

そう彼女の頭を撫でると幾分か穏やかな寝顔に戻る

ヴィル｢はぁ……アンタの進む道は
蛇や茨所の話じゃないわねA｣

気づけば夜ももう遅い
美容のために多少場所が悪くても眠らなければと
予備の毛布を取り出しベット近くのソファーへ置く

ヴィル｢おやすみなさい、A
明日は少しでも元気な顔見せるのよ？｣

届いていないだろう思いを彼女に伝え
自身も床に着いた
_____
3日後

『ん…ここ、は…』

ヴィル｢起きたの子じゃが｣

『ヴィル先輩!?え、どうして…』

ヴィル｢アンタ、モストロラウンジで倒れて
サバナクロー寮の白犬みたいな男子が
ココに連れてきたのよ｣

『ジャックが……』

ヴィル｢話は聞いたわ、全く馬鹿なんじゃないのアンタ｣

『う゛…鋭いご指摘……』

アハハ…と笑うと額にデコピンを落とされる

ヴィル｢笑うんじゃないわよ、笑いたくも無いくせに
気分悪いわ｣

『ぁ……ごめん、なさい……』

ヴィル｢……(ﾁｯ)もー！そういう事じゃなくて、
今にも泣きそうな顔してるのに無理するんじゃないって言ってんのよ！泣きたいなら泣きなさい馬鹿！｣

下げた顔を無理やりあげられ
ヴィル先輩の綺麗な紫の瞳と目が合う
よく見れば珍しく先輩の目の下に薄らと隈ができていた
美を追求する彼がまともな睡眠も取らず
看病してくれたのだと気づいた

『(優しい先輩……)』

そう思った瞬間脳裏にアズールの優しい笑顔が過った

『(ﾎﾟﾛｯ)ふ…ぅ…ぅ゛…ヴぃる…せんぱ……っ』

ヴィル｢そう、それでいいのよ。
全く慣れない事したんでしょ。アンタはアンタらしく
それで充分なのよ…｣

『けど、けど私…3人に、酷いことッ…
ジェイドの言う通りだわ……アズールくんじゃない…私が、私の方がっ……』

ヴィル｢そうやって自分を責めるんじゃないわよ
性格ブスになるわよ？ヒロインだとかヴィランとか
関係ない、意見の食い違いなんかザラにあるのよ｣

涙を拭おうとすると先輩に止められ
ハンカチで優しく拭き取られる