やだなあ ページ3
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朝になって目が覚めたら、もう隣には誰もいなくて
なんの痕跡もなくて
やっぱり芸能人だったのかもって思った。
芸能人とこんなことになっちゃうなんて、思いもしなかったな
でも、そんな実感はないし、良くあることなんだろうな
ほら、中学生のときに追っかけてたアイドルだって、彼女はいないって言ってた。彼女は。
つまり、こういうこと
それなのに、ああ、どうしよう
昨日の夜が忘れられない。
あのひと、名前なにって 掠れた声で聞いてきて
Aって答えたら、キスの合間に何度か呼んでくれたの。
それがきっと、あのひとを忘れられない理由のひとつで
だからわたしも同じことをしたかったのに、名前を聞いても、すぐはぐらかされた。
昨日はなんにも考えられなかったけど、冷静になった今思えば、芸能人だったからか。
…そっか
ひとりで服着て、ホテル出て
朝日なんて嫌なものを浴びながら、アパートに帰った。
朝帰りなんて初めて
だいたい、大学から東京に出てきて 一度も彼氏できてないのに。
ベッドに倒れこんで、目を瞑る。
昨日の夜、薄暗い店の端で
場違いだったわたしと、そんなわたしを見つけた彼。
あのとき持ってたシャンパングラス、わたし、最後どこに置いたんだっけ。
昨日のためだけに買った、このかわいいワンピース
絶対無駄だって思ってたけど、やっぱりこれにしてよかった。
彼に見つけてもらえたから。
…もう二度と会えない？
昨日のことは、無かったことになる？
彼はまたあの声で、だれかの名前を呼んで
あの綺麗な身体で、だれかを抱きしめて
やだなあ、って 呟いた。
わたしなんかが追いかけていいひとじゃないのに。
それでも、もう一度声が聞きたかった。
本当に、それだけだったの。
何かに突き動かされるように、ワンピースを脱いで、シャワーを浴びて、しっかりお化粧をしてから 元カレの店に向かった。
今日、大学休みでよかった
こんな気持ちで友達に会うのは気が引けるから
元カレに詳しく話すのはなんか嫌で
ここでバイトさせてって、それだけしつこく頼み込んだ。
そんなお金ないって断られたけど、お金はいらないって頭下げたら、渋々頷いてくれて
学校帰り、毎日店に行った。
ほんとにどういう繋がりから分からないけど、1週間に一度くらいのペースで、芸能人が来るの。
そのたびに彼を探したけど、会えないまま。
でも、それから3ヶ月後
その日は突然訪れた。
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Tatsumi(プロフ) - 初めまして！ただいま、初恋一目惚れして、きなこさんの作品を読ませていただいています。こんなにしっくりくる玲於くんは初めてで、主人公ちゃんのキャラも好きで、今やきなこさんの作品や人間性に惚れ込んでいます。沢山の素敵な作品をありがとうございます！ (2020年3月27日 10時) (
レス) id: ec055f32e6 (このIDを非表示/違反報告)
ひかり(プロフ) - きなこさんのお話全部読んでます！！パスワードかかってるやつ昔読んだのですがまた読みたいので良ければパスワード教えて欲しいです！ (2019年10月6日 12時) (レス) id: 5014defe8e (このIDを非表示/違反報告)
ゆうか(プロフ) - まってました！きなこさん！おかえりなさい！！！楽しみにしてます！ (2019年10月2日 7時) (レス) id: b214cb1e69 (このIDを非表示/違反報告)
ChuRa(プロフ) - ハイスピード大歓迎です！きなこさんの書かれる佐野玲於くんが大好きです。更新楽しみにお待ちしております。 (2019年9月26日 12時) (レス) id: 6da9a38d0b (このIDを非表示/違反報告)
ゆりこ - 待ちきれないので毎日更新してください！！！！ (2019年9月26日 1時) (レス) id: cb039e5484 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きなこ
| 作成日時：2019年9月13日 21時
