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あのとき ページ26





モヤモヤした気持ちのまま
ついに、今日を迎えてしまった
先輩のお母さんの お誕生日

朝から何度も何度も携帯を確認して
まだ連絡こないって 不安になる
今日はバイトないって言ってたけど
…ほんとに行ってくれるよね、大丈夫だよね
もしかしてもう行ってたりして
でも何か嫌なことがあって、どこかで泣いてたらどうしよう

いてもたってもいられない
何度も電話しそうになったけど、いまお母さんとこいたらダメだから、必死に我慢


ママ「もー、何そわそわしてるの?落ち着いて。」

A「…うん。」

ママ「せっかくの夏休みなんだから、どこか旅行でも行ってきたら?」

A「旅行は、9月に行くの。」

ママ「あら、どこへ?」

A「軽井沢だよ、マユちゃんのおじさんがね、別荘持ってるんだって。」

ママ「別荘?すごい、そこに泊まらせていただくの?」

A「うん。」

ママ「手土産準備しとかなきゃね。」


そうだねって、ママと顔を見合わせた
そのとき、ふと思い出す
…あれ、いつだったっけ
随分前に、先輩に帰り車で送ってもらって
そのとき、へんなこと聞かれたの

帰ったら晩メシあんの?って
たぶんって答えたら
おかえりーって?今日も学校楽しかった?って?
なんて、聞かれて
うんっていったら
最後、Aってひとりっ子だっけ、って

…そっか
佐野先輩は、お母さんと こんななんでもない会話すら、できなかったんだ
わたしのこと、あのときどう思ったかな
やっぱ俺だけか、って 悲しかったかな

…なんでわたし
気付けなかったんだろう
今思えば、たくさん気になることあったじゃん
先輩一度も、家族のこと話さなかったじゃん
もっと早く気付けてれば
もっと早く、先輩を救えたのに

悲しくなって携帯を見たけど
やっぱりまだ、連絡は来ていなかった
もう17時になるよ
先輩、大丈夫かな




落ち着かないまま夜を迎えて
晩御飯を食べたあと、お風呂入って
そしたらマユちゃんから電話がかかってきた
一瞬佐野先輩かと思ったけど。


マユ『ええ、白濱先輩が?そんなこと言ったの?』

A「うん、なんかちょっと怖かったよ。」

マユ『まあねー、好きな子が他の男のことばっか考えてたら さすがに嫌でしょ。今までもずっと我慢してくれてたと思うよ。』

A「そっかあ…」


話題は、わたしのもうひとつの悩み事
白濱先輩
マユちゃんの言葉に、やっぱりわたしが甘えてるだけだったんだって 気付かされた


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maki(プロフ) - 今まで何お話、読み返したら、やっぱり佐野先輩とうまくいってほしい。。(;_;)先輩!!何してんのーー!!! (2018年8月5日 7時) (レス) id: 9583ac788f (このIDを非表示/違反報告)
ゆうか - ほんとに今一番大好きな小説です。全然話長くしていただいてかまいません!笑更新これからも楽しみにしていますので大変だと思いますが頑張ってくださいね! (2018年7月5日 23時) (レス) id: cb039e5484 (このIDを非表示/違反報告)
R(プロフ) - きなこさんは更新率が高いことだけが取り柄だなんて、全然まったくそんなことないですよ(^^)きなこさんのお話を読むだけで元気になれます。いつもお話を読めること本当に嬉しいです。これからも応援しています。きなこさんの思ったまま書いてください! (2018年7月5日 23時) (レス) id: 49103f1761 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - さいくぅー (2018年7月5日 22時) (レス) id: 527ff0df55 (このIDを非表示/違反報告)
涼夏 - もうきなこさんの伏線が楽しみすぎます!!楽しみにしてます!! (2018年7月5日 22時) (レス) id: c6b1080ab1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:きなこ | 作成日時:2018年6月16日 21時

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