ずっと、一番 ページ42
玲於side
ミホ「…なんで？」
玲於「……ごめん、これだけは。」
ミホ「…そんなに思い出があるものなの？でももう汚いし、捨てたほうがいいよ。」
慌てて手に取ったホワイトボードは
確かに、何度も書いて消してを繰り返してたから
もう綺麗に消えなくなってるし
下の文字、薄っすら見えてるし
…でも、違うんだよ
ミホ「…ほら、捨てよう。」
玲於「……捨てるなら、Aと一緒に捨てる。」
ミホ「……。」
玲於「…それで…新しいの買いに行く。ふたりで。」
ミホちゃんの顔が
どんどん歪んで行くのがわかった
…初めて見る表情
当たり前だよ
俺がミホちゃんの言うことに逆らったの、初めてなんだから
ここにいていいよって言われて
ミホちゃんのそばにいた
大事にする癖やめなよって言われて
ちゃんと突き飛ばした
出て行ってもらったほうがいいって言われて
泣いてるあいつを、追い出した
でも、Aがここにいた記憶まで捨てられたら
俺、生きていけない
今までの俺の人生
ずっとAが一番だったんだ
一番めんどくさくて
一番厄介で
一番手がかかって
一番かわいくて
一番大事で
Aにとっての俺は
その全部、一番じゃなかったとしても
それでも、俺はあいつのそばに…
…ああ、そっか
こんな簡単な話だったんだ
あいつが俺をにいちゃんだって思ってたって
この先も、それが変わることはなくたって
それでも
俺の好きなコは、A
何やってんだよ
なんで気付けなかったんだよ
あいつが泣きながら鍵投げつけて
俺のこと、バカって言って出てったあのとき
なんで俺、追いかけなかったんだ
嘘だから行くなって、それだけ言って、抱きしめれば良かったのに
…ミホちゃんじゃないだろ
俺が選ぶべきだったのは、ミホちゃんじゃなくて…
手首に縛りついてる
高そうな腕時計、そっと外した
ミホちゃんの手からゴミ袋を取り、代わりに腕時計を握らせる
ミホ「……レオ…」
玲於「……ミホちゃん、ごめん。俺やっぱ、あいつを忘れるなんてできない。」
ミホ「…そんな…ここまで離れ離れになったのに？」
玲於「……うん。」
ミホ「…この、腕時計…」
玲於「……売るなり、捨てるなり、好きにして。本当にごめん。…ごめんなさい。」
ミホちゃんが悪くないことは
誰より俺自身が一番わかってる
目瞑って深く頭を下げた
．
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もっころっこ(プロフ) - 久々に読んでたら、宇多田ヒカルの初恋がテレビから流れてきて、めちゃくちゃ合ってるじゃないか...。って感動しちゃいました（笑） (2018年9月20日 20時) (
レス) id: be6c48a40e (このIDを非表示/違反報告)
なちゅ - やっぱりきなこさんのお話は素敵で涙が出ます(＞＜) (2018年1月19日 21時) (レス) id: a1e311b4a1 (このIDを非表示/違反報告)
godhand0702(プロフ) - かなこさんさすがです！これからも更新だどんとお願いいたします！毎日日課で読んでます！死ぬほど楽しみです！ (2018年1月19日 8時) (レス) id: aa2994fdab (このIDを非表示/違反報告)
まや(プロフ) - キナコさんの書く小説いつも見てます！とくにユアマイドール好きです！更新頑張ってください！ (2018年1月19日 8時) (レス) id: ba0333c375 (このIDを非表示/違反報告)
れーーーな(プロフ) - ああああよかったぁぁ！やっと！やっと戻ってこれた！！すれ違いばかりで、ほんとに、おいこら！佐野のバカ！と叱りたくなるくらいだったんですけど、やっと玲於くんが主人公の大切さに気づいてくれた…本当によかったです！今日は幸せな気持ちで寝れます！笑 (2018年1月19日 3時) (レス) id: 668b46cbdb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きなこ
| 作成日時：2018年1月6日 21時
