2分の1ガールフレンド3【佐野玲於】

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玲於side




「Aちゃん、一体いつ帰ってくるんだい？」


玲於「…えー……わかんねえ…随分な長旅みたいで…」


「長旅？そうか、まあ若いうちになんでも経験しとくべきだよなあ。」


玲於「うん。ほんとその通り。」


「それにしてもさっきの女の子、えらくAちゃんに似ていたね、おじさんてっきり」


玲於「あーちょっと俺、ね、おつかい頼まれてっから。」


「ああそうか、ごめんごめん。」



気を付けてね、なんて マジでじいちゃんみたいなこと言うおっちゃんに頭下げて
マンションを出た

…はあ
ほんとAのこと大好きじゃん
どうしよ、俺
なんか咄嗟に嘘ついちゃったけど、ほんとのこと言った方がいい？
ワケあって、出てったんだよね
…つーか、追い出したんだよね

いや、ダメだ
ぜってー怒られる



ああーって頭抱えながら
5分も経たずにコンビニに到着
牛乳と酒も何本かカゴに入れ、ついでにお菓子も購入した

あざしたーって店出て歩き出したら
ぽつ、ぽつ、え、雨？
やば
そういや今日夜から雨って言ってたな


雨粒は次第に大きくなっていき
マンションに着く頃には、もう大雨
服、ちょっと濡れた



「お、雨か。こんなに寒いんだから、せめて雪ならね。」




そんなおっちゃんの言葉に適当に返事して
エレベーターに乗り込む
もう20時か、さっさと風呂入ってメシ食って
ゲームして寝よ


そう思いながら開けた
ドアの向こう




玲於「……え、何してんの…」




俺の目に飛び込んできたのは
左手に持ったゴミ袋に、部屋に置いてたちっちゃいインテリア、容赦なく突っ込んでるミホちゃんの姿

帰ってきた俺を見て、手を止めた




ミホ「おかえり。」


玲於「…いや、おかえりじゃなくて…」


ミホ「……レオの為だよ。」


玲於「…え？」


ミホ「…だってこれ、幼なじみの子が買ったものでしょう。」


玲於「……そうだけど…」


ミホ「せっかく出て行ってくれたんだから、ちゃんと忘れなきゃ。全部捨てたら、絶対忘れられる。」




そう言って
キッチンのカウンターに置いてあった、かすみ草が入った花瓶
そのままゴミ袋に入れて

Aが買ってた、おしゃれな計りとか
冷蔵庫に貼ったままだった、マオちゃんのレシピとか


全部、全部…




玲於「…ミホちゃん、」


ミホ「最後、これ、」




言いながら手を伸ばしたもの

それは





玲於「…待って、やめて、それには触んないで。」





Aが買ってきた
ホワイトボード



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