バカげてる ページ14
玲於side
突然そんなふうに話しかけられて
分かりやすくキョドる俺
待て待て、落ち着け
玲於「…あー、まあ。はい。覚えてたんですか。」
「はい、お兄さんみたいな若い人、なかなか来ないから。」
玲於「そうなんすね、俺もその、この前一緒に来てたヤツに教えてもらって、」
「今日は、おひとりで来てくださったんですね。嬉しいです。」
玲於「……はい。」
…ダメだ
この子はAじゃないのに
違うってわかってんのに
なのに…
玲於「……名前、聞いてもいいっすか。」
「わたしの、ですか？」
玲於「…はい。」
「えっと、ミホです。」
玲於「…ミホちゃん…」
雑談は次の客が来るまで、って
思ってたんだ
でも、なんせ客が少ない店だから
玲於「大学生？」
ミホ「いえ、これでも25です。」
玲於「え、25？うそ、歳上？ごめんなさい、俺、年下だって思ってて、」
ミホ「よく未成年に間違えられるんです。笑 気にしないでください。」
玲於「じゃあ、その、働いてるんすか。」
ミホ「はい。お昼はOLですけど、夕方からたまに、お店手伝ってて。ここ、わたしの叔父さんのお店なんです。」
玲於「あ、そうなんすね。」
ミホ「はい。」
玲於「あ、えっと、俺、レオって言います。大学4年の歳だけど、働いてて。」
ミホ「…レオさん。」
覚えておきます、って
またニコニコして
…顔だけ見たら年下だって思い込んでたけど
やっぱ話してたら、落ち着いてるし
しっかりしてる感じするかも
大人の余裕、ってやつ？
ミホさんって呼び直したら
ミホちゃんでいいですよって笑ってくれて
…バカげてるとは思うけど
もうどうしようも無かった
心に空いた穴を
埋めて欲しかっただけ
ミホちゃんと色んなこと話して
この短時間でありえないほど仲良くなって
また来るって約束して 店を出る
久々に、こんなあったかいんだよ
Aと一緒にいたときは、毎日こんな感じだったのかな
…いま、何してんだろ
ちゃんと家にいる？
それとも、杉野くん家？
何もわかんねーけど
この距離にいないと、あいつとあいつの両親を悲しませることになりかねないから
玲於「……ミホちゃん、か。」
Aの顔を最後に見た日から
もう少しで2週間
心配で心配で仕方ないけど
いまのあいつを守るのは、俺の役目じゃない
片思いなんてらしくねーよな
なんて鼻で笑いながら
ひとり、ポケットに手を入れた
．
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もっころっこ(プロフ) - 久々に読んでたら、宇多田ヒカルの初恋がテレビから流れてきて、めちゃくちゃ合ってるじゃないか...。って感動しちゃいました（笑） (2018年9月20日 20時) (
レス) id: be6c48a40e (このIDを非表示/違反報告)
なちゅ - やっぱりきなこさんのお話は素敵で涙が出ます(＞＜) (2018年1月19日 21時) (レス) id: a1e311b4a1 (このIDを非表示/違反報告)
godhand0702(プロフ) - かなこさんさすがです！これからも更新だどんとお願いいたします！毎日日課で読んでます！死ぬほど楽しみです！ (2018年1月19日 8時) (レス) id: aa2994fdab (このIDを非表示/違反報告)
まや(プロフ) - キナコさんの書く小説いつも見てます！とくにユアマイドール好きです！更新頑張ってください！ (2018年1月19日 8時) (レス) id: ba0333c375 (このIDを非表示/違反報告)
れーーーな(プロフ) - ああああよかったぁぁ！やっと！やっと戻ってこれた！！すれ違いばかりで、ほんとに、おいこら！佐野のバカ！と叱りたくなるくらいだったんですけど、やっと玲於くんが主人公の大切さに気づいてくれた…本当によかったです！今日は幸せな気持ちで寝れます！笑 (2018年1月19日 3時) (レス) id: 668b46cbdb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きなこ
| 作成日時：2018年1月6日 21時
