良い空気 ページ40
Aside
ユリ「え、待って、こんな高そうなお店？」
約束の金曜日
ユリさんと待ち合わせして、玲於くんが指定したお店に向かった
まあ、予想はしてたけど
めちゃくちゃ高そうなお店
A「…お金、持ってるんです。」
ユリ「わたしより2歳上だよね？働いてるの？」
A「はい、バリバリ。」
恐る恐るお店に入り
佐野ですって伝えたら、こちらへどうぞって、奥の個室に通された
玲於くんまだ来てなくて、ふたりきり
ユリ「…大丈夫かなあ、緊張してきた。」
A「ほんとに大丈夫です。美人って言ったらそれだけでにやにやしてたから。あっ、けど、べつに顔で選ぶとか、そんなんじゃなくて、」
ユリ「Aちゃん必死。笑」
…そうだよ
おかしい
なんでわたしがこんな必死にならなきゃいけないんだ
落ち着け落ち着け、って
頬っぺたをぱちんって叩いた
ちょうどそのとき、ガラって ドアが開いて
玲於「あ、すみません、お待たせしました。」
いつもより
ちょっとだけ、おとなしめの服を着た玲於くん
マスク外しながら 早口でそう言った
ユリ「あっ、いえ、わたしたちも今着いたところで。」
玲於「あ、そうなんすね、あの、初めまして。佐野です。」
佐野です、だって
思わず笑っちゃう
そんなわたしを見て、玲於くん、笑うなよって小声で言った
玲於「…なんか頼みましょっか、俺、いいっすか？適当に。」
ユリ「あ、ぜひ。こんな高級なお店、わたし来たことなくて。」
玲於「いやいや、案外高くないっすよ。」
ユリ「ほんとですか？でも、初めて来るお店だから、なんか楽しいです。」
玲於「あーもうそれは良かったっす。笑」
…良かったっす？
なんだそれ、たっす、って、なんだそれ
ふたりが大人で
初対面なのにちゃんと会話できてて
…なんか、すごいな
わたし、コワモテお兄さんと全然おしゃべりできなかったのに
玲於「…Aは？オレンジジュース？」
わたしって子どもだな、なんて落ち込んでたら
玲於くん、いつもみたいにそう聞いてくれる
A「…りんごジュース。」
玲於「ん。りんごね。あ、ユリ…ちゃん、でいいっすか？年下？だよね？」
ユリ「あっはい、佐野さん、わたしより2歳上だって聞いてます。」
玲於「うん、じゃあ…ユリちゃん、何飲む？」
うわあ、どうしよう
なんかすごく良い空気かも
なんだかこっちが恥ずかしくなって
両手で頬っぺたを覆った
．
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夕凪(プロフ) - まだ、酔っ払いまでですが本当に面白くて今からキュンキュンしてて、心臓が足りません！笑笑 (2018年6月18日 12時) (
レス) id: 6e9a42278c (このIDを非表示/違反報告)
ひろみ - きなこさんの小説ほんとに好きで読ませもらってます！！臣くんのやつも読みましたがほんとにドキドキして面白かったです！臣くんの小説違うバージョンも作って欲しいです！これからも頑張ってください！ (2017年12月29日 20時) (レス) id: bde81dd030 (このIDを非表示/違反報告)
kotone(プロフ) - 私、きなこさんが書くお話がすごく好きなんです！更新、楽しみにしてます(*^^*) (2017年12月21日 23時) (レス) id: 8703134089 (このIDを非表示/違反報告)
のん - 楽しさと面白さの中に悲しさも入っているてんこ盛りの作品ですね！(上からでごめんなさい…)読んでいてとっても楽しいです！これからも頑張ってください！ (2017年12月21日 23時) (レス) id: b0b93090e0 (このIDを非表示/違反報告)
まりあ(プロフ) - すっごく面白いお話です！どんどん更新してください！お願いします!!主人公が玲於くんを待つところとか、すごく切なくてだんだん泣けてきちゃいました！ (2017年12月21日 22時) (レス) id: c8678f2ebd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きなこ
| 作成日時：2017年12月5日 22時
