2分の1ガールフレンド【佐野玲於】

のどぼとけ ページ18

Aside





A「こんばんは。」


「Aちゃん、遅かったね。」


A「はい、バイトで。」


「そうか、大学生だもんなあ。お疲れさま。」


A「うん、おじちゃんも！」




マンションの一階にいる、警備員のおじちゃん
まだ3回しか会ってないのに すっかり仲良し


手を振って、エレベーターに乗り込んだ

若干Gを感じるレベルで
お目当ての階に上がって行く


これ、絶対慣れる気しない
ていうか玲於くんって、こんないいところに住めるほど稼いでるんだ、すごいな




A「…ただいまー。」




貰った合鍵
こっそり入ると、ガチャって、リビングのドアが開いた




玲於「…おせえ。」


A「おかえり、より先に、おせえ？」


玲於「おせえ、俺、お前のために早く帰ってきたのに。」


A「お仕事？」


玲於「…亜嵐くんと飲んでた。」


A「白濱亜嵐くん？すご、玲於くんってやっぱ、芸能人だ。」


玲於「芸能人と一緒に住んでるお前はもっとすごいよ。」




言った後、あー頭いてえ、って

近寄るとなんかお酒くさいし
どんだけ飲んだの？




A「お水飲む？」


玲於「うん。」


A「座って待ってて。」




手洗いうがいしてから、グラスにミネラルウォーター注いで 玲於くんとこに持ってった

無言で受け取って、ぐびぐび飲んでる



…動く、のどぼとけ

もう少し近くで見たくて、玲於くんの隣に座った




玲於「…ん？」


A「ううん。」


玲於「…警備員のおっちゃんに言われた。Aちゃん、まだ帰ってないけど大丈夫かい？って。」


A「ああ、さっき下で話したよ。」


玲於「そっか、…お前が来る3日前まで、俺、会釈しかしたことなかったのに。」


A「あは、そうなの？」


玲於「うん。お前のことおっちゃんに説明したときさ、可愛い可愛いってずーっと言ってたじゃん。」


A「うん、言ってた。調子乗りそう。」


玲於「バカ。…たぶんあれだよね、孫みたいなんだよね。だから、お前が帰ってきてなかったら、心配すんだよね。……俺と一緒だ。」




そう言った後、はあってため息ついて
背もたれに のびーってしてる


天井を見上げる玲於くんの横顔
…きれい




A「…お兄ちゃんも心配する？」


玲於「…うん、まあ、孫とは思ってないけど。妹だからね。」


A「ふふ、…心配性ってやだね。」


玲於「やだよ、お前のせいで。」




わたしはちょっとだけ、嬉しいよ


．

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