2分の1ガールフレンド【佐野玲於】

いただきます ページ12

玲於side





20時ちょっと過ぎ

メンさんからの飲みの誘いをスルーして、タクシーに乗り込んだ



さっきAからラインが来てて

玲於くん何時頃おうち着く？ご飯作って待っててもいい？

って、いや、さすがの俺でも1ミリくらいニヤけたよ



もちろんいいよ、待っといてよ

なんて内心甘々なこと考えながら、20時には帰るって返事しといた


まあ、もう既に遅刻してるけど




結局ドアを開けたのは20時半

電気がついてる部屋に新鮮味を感じながら、ただいまって言った




A「やっと帰ってきた！」




リビングから駆け寄ってくる、エプロン姿のA

ポニーテールにリボンなんかつけちゃって
女子大生だね、ちゃんと





玲於「うん、ごめん。」


A「…おつかれさま、おかえりなさい。」


玲於「棒読みやめてください。」


A「言い慣れてないもん。」


玲於「だろうね。…てかめっちゃいい匂いする。」


A「あのね、何が食べたいか分かんなかったから、みんな大好きハンバーグにしたよ。」


玲於「マジ？例に漏れず俺も大好き。」


A「だと思った！」




くすくす、笑って、早くきて！って

なんだよって呆れたフリして俺も笑いながら、その後を追った


テーブルに置かれてたのは
ソース掛かった、ちゃんと美味そうなハンバーグ





玲於「なに、ちゃんと料理できんじゃん。朝のアレは幻覚？」


A「あー、うん。」


玲於「え？なに。」


A「いや…うん。あっ、ほら、今ね、フライパンから移したとこなの。早く食べよう、まだアツアツだよ。」




わかった、って返事して
手洗いうがい済ませて、早速テーブルで手を合わせる


いただきますって言うと
めしあがれ、って

うわー、いいな、こういうの
仕事終わって帰ってきたら、もうメシできてんだよ

まさに理想形


…なんて、浮かれてたけど




玲於「…なんか苦い。」


A「…バレちゃった。」


玲於「え、なにこれ。」


A「あのね、裏真っ黒なの。笑」


玲於「は？」


A「焦がしちゃって。笑」


玲於「…いやいや、Aさん、笑うところじゃないっすよ。」


A「あは、ごめんなさい。ちょっと目を離した隙に。」


玲於「目離した？なんで。」


A「え？携帯、携帯。だって、あのリスちゃんいなくなるまで、あと30分しかなかったから。」




リスちゃん？なんのゲームだよ


ほんと期待通りだわ

…もちろん、悪い意味でね


．

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