明日1日 ページ24
亜嵐side
亜嵐「…A先生さ、めちゃくちゃいい人なんだよ。…分かるよね、菊池くんも。」
菊池「…はい。」
亜嵐「うん。だからさ、先生はきっと、菊池くんの将来のこととか…菊池くんが今まで頑張ってきたこととか、色んなことを無駄にしたくなかったと思うんだよね。」
菊池「…はい。」
亜嵐「……でも一番は、菊池くんのことを大事に思ってたからだよ。…菊池くんと、卒業まで一緒にいたかったんじゃないかな。」
結局それが全てだと思う。
帰り道、いっつもクラスのこと話してるから。
たぶん 大好きなんだよ。2年3組が。
なんて、考えていたら
菊池「……宮下先生に、伝えておいて欲しいんですけど…」
菊池くんが、ゆっくりとそう言った。
ん?って耳を傾けると
緊張気味に口を開いて
菊池「…僕、宮下先生にすごく感謝してます。…学校辞めたいって言った時、あんなに必死に引き止めてくれるって思わなかったから。」
亜嵐「…うん。」
菊池「…それに僕、学校は辞めることにしたけど…でも、宮下先生に出会ってなかったら、たぶんもっと最悪な選択をしてたと思う。…だから、本当に感謝してるんです。」
菊池くんはそれから
通信制に切り替えても、変わらず勉強は頑張ること
ちゃんと大学に入って、夢を叶えてから、先生にもう一度会いに行きたいこと
腹割って、たくさん教えてくれた。
亜嵐「…よっしゃ、この白濱先生がバッチリ伝えとくから。安心しときな、菊池くん。」
菊池「…ありがとうございます。」
亜嵐「…俺も頑張って教師になるわ。…お互い夢叶えて、またどっかで会おうな。」
はいって答えてくれた菊池くんと別れ
早く先生に伝えたいな、なんて思いながらバスに乗る。
電話しようか、でも直接言いたい気もするし…
そんなことを考えていると、ふと思い出して
バスの中、鞄から財布を取り出し
4年前から大事にしまっていたそれを取り出す。
…使っちゃおうかな
逆に、今しかない気がする。
最寄のバス停で一番最初に降りて
家まで我慢できず、その場で先生に電話をかけた。
A『…白濱くん?どうしたの?』
亜嵐「先生覚えてる?4年前にくれた、わたしと1日遊べる券。」
A『…わたしと1日遊べる券…』
亜嵐「これ、明日使うから!……明日1日、俺にちょうだい。」
半ば強引に取り付けた約束
こんなに待ち遠しい明日は初めてだった。
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ゆうき(プロフ) - すごく面白かったです。続編、書いてほしいです。 (2019年9月18日 21時) (レス) id: 9e39fec3dc (このIDを非表示/違反報告)
わたし - 読ませていただきました!続編読んでみたいです!!占ツクでこのお話が一番大好きで定期的に読ませてもらってます!ありがとうございます! (2018年10月5日 23時) (レス) id: 30aa3f8e55 (このIDを非表示/違反報告)
こぁお - うわあ、きなこさん、さすがです。 本当に面白かったです。 感動をありがとうございました。 (2018年2月7日 18時) (レス) id: bd05a1edf1 (このIDを非表示/違反報告)
実波 - 久しぶりに読みました。これ、続編ないんですか?笑 (2017年9月26日 7時) (レス) id: 6e3449be8e (このIDを非表示/違反報告)
まぁ(プロフ) - しばらく開いていなかった占ツク。きなこさんの最初の作品から読ませていただいています。冬のお話を、夏に読んじゃいましたが、きなこさんの世界観はやっぱり素敵だなと思います。この作品以降のものも時間を見つけて全部読ませていただきます! (2017年8月17日 14時) (レス) id: c2a087ffac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:きなこ | 作成日時:2017年2月1日 21時